日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

フランス

20240422 ECBによるユーロ圏住宅投資分析

www.ecb.europa.eu 本日ECBから発表されたユーロ圏住宅市場に関する分析レポート「ユーロ圏の住宅投資と住宅使用者コスト」(上記リンク先)のエッセンスは以下の通り: ユーロ圏の住宅投資は、2022年第1四半期から2023年第4四半期にかけて約4%減少。特にド…

20240228 仏マクロン大統領のウクライナ派兵案についてのドイツメディアの報道ぶり

マクロン大統領が、西側の地上部隊をウクライナに派遣する可能性について「合意はない」ものの、「何も排除すべきではない」と発言したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 マクロン氏自身はロシアに勝利させないためには「戦略的曖昧…

20240104 ドイツ貿易相手国ランキング(2022年)

<2022年のドイツの輸出入、貿易量、貿易収支における国別ランキング> ドイツの輸出入においては、中国、米国、オランダ、フランスの4カ国が重要(英国の地位はBREXIT以降急低下中)。 ドイツの貿易黒字は米国、フランス、英国、オーストリア向けが大きい。…

20230921 ナゴルノ・カラバフ停戦合意についてのドイツメディアの報道ぶり

ナゴルノ・カラバフ(ドイツ語ではBerg-Karabach: ベルク・カラバハと音がかなり異なる)紛争で、アゼルバイジャンとアルメニアが停戦で合意したことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 アゼルバイジャンのアリエフ大統領は、ナゴルノ・…

20230630 フランスの暴動についてのドイツメディアの報道ぶり

交通検問中に警官に射殺された17歳の少年の死をきっかけに発生し、6月30日時点で660人以上の逮捕者と約250名の負傷警官を出しているフランスの暴動についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。 不満や怒りの暴動や暴力による表現は全く正当化され…

20230611 ドイツの都市は欧州の中で相対的に安全

https://www.numbeo.com/crime/region_rankings.jsp?title=2023&region=150 都市比較ポータルサイト「Numbeo」の「犯罪指数」ランキングを見ると、世界の都市の危険度合いが比較できます。 2023年のヨーロッパ152都市のランキング(上添リンク)をチェックし…

20230425 南欧諸国の干ばつが深刻になってきています

スペイン、フランス、イタリアなどの南ヨーロッパ諸国が干ばつと水不足に苦しんでおり、ドイツでも観光業界に甚大な悪影響が出そうということでニュースになり始めています。梅雨のある日本と異なり、南欧では今水がなければ今後挽回できる可能性は低い模様…

20230411 マクロンの対中/台スタンスに関するドイツメディアの報道ぶり

今回の訪中にあたってマクロン仏大統領が、緊張が高まっている台湾情勢について、欧州は米国の戦略に追従すべきでない/米中対立に巻き込まれる事態は回避すべき、という考え方を示したことに対するドイツメディアでの報道ぶりは以下の通り強く批判していま…

20230404 ドイツ2月輸出急回復

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/04/PD23_133_51.html 先ほどドイツ2月貿易統計(上図)の発表があり、以下の通り堅調な内容となっていました。ドイツのGDPの4~5割を占める輸出の回復は、ドイツ経済にとっても朗報です。 輸出:…

20230318 危機感をバネに前進することの大切さ

★スライドを加えて動画にもしています。よろしければ併せてご覧ください。 www.youtube.com youtu.be <Japanese> 先週来、リーマンショック再来を想起させるような展開が続いています。大きな銀行がいくつも突然破綻する/しそうになるなどということは、普通はまず起</japanese>…

20230309 クロアチアを加えた新ユーロ圏における各国GDPシェア

Eurostatから2022年のユーロ圏GDP統計がQ4まで一通り(ほぼ)出揃いましたので、ユーロ圏新メンバーであるクロアチアを加えた20カ国ベースでの名目GDPシェアを計算しておきました。 ドイツは28.8%、クロアチアは0.5%となっています。 世の中でまだあまり見…

20221222 ゼレンスキー訪米に対するドイツメディアの論調

私が見聞きしている中で特に印象的だったポイントを以下列挙しておきます。 次の攻撃準備を急ピッチで進める一方、戦争の長期化で西側の「支援疲れ」を狙っているプーチンにとって、タイミングも含めて明確かつ手痛いメッセージになった。 議会が共和党の手…

20221220 ドイツから見たカタールW杯総括

カタールW杯全体について、ドイツメディアで語られている主なコメントをご紹介します。 全体として、ワールドカップはカタールにとって大成功だったと言える。 スタジアム内のアルコールを禁じたこともあり、フーリガンなどによる揉め事は殆ど起こらなかった…

20221218 フランス対アルゼンチンのW杯決勝戦は、ドイツでも「夢の対決」と位置づけ

ドイツナショナルチームは(日本にも負けて)早々に予選敗退してしまったので、もともとただでさえカタールW杯に批判的(汚職、人権抑圧)だったドイツ人の関心がさらに薄まった感は否めませんが、公共第一放送TV(ARD)で16時からライブ中継されますし、メ…

20221123 フランスのインフレ率はなぜこんなに低いのか

フランスのインフレ(10月HICP)は前年同月比+7.1%と、ドイツの+11.6%、ユーロ圏平均の+10.6%と比べて極めて優秀です。足元ユーロ圏で最も低い値となっています。 ドイツとの国境近くにあるフランスの街シュトラスブールには、ドイツ人の買い物が殺到して…

20221117 ドイツ家計のインフレ対策の特徴

米独英仏の4カ国は、日本と比べるとはるかに高いインフレに苦しんでいます。 www.ft.com ボストンコンサルティングがこの4カ国を対象に、各国の家計がインフレに対応して何を節約しているかということについてアンケート調査を実施しました。 その結果を見る…

20221016 仏ル・モンド ドイツ語版(月刊)LE MONDE diplomatique

https://monde-diplomatique.de/ デュッセルドルフ中央駅の売店に立ち寄った際、仏ル・モンド紙のドイツ語版国際政治解説月刊紙「LE MONDE diplomatique」を偶然発見。 5.2ユーロ(740円)もするのでやや躊躇しましたが、そもそも海外メディアのドイツ語版は…

20220926 イタリア総選挙結果(極右化)に対するドイツメディアの論評

欧州の週末のメインイベントは何と言ってもイタリアの前倒し総選挙だった訳ですが、ドイツの主要メディアの反応は以下のような感じ(なかなか面白いですもの)となっています。 予告済みのカタストロフィがやはり現実となった。 メローニ女史率いるFDIが、典…

20220912 ドイツガソリン減税廃止、9月CPIを0.5%押し上げ

今朝ドイツ連邦統計局のガソリン小売価格データが発表されていたので、手を動かして計算してみた結果、以下のことが確認できました。 8月平均価格 9月(9/5まで) 前月比上昇率 1) スーパー(E10) 1.731 2.018 +16.6% 2) ディーゼル 1.960 2.168 +10.6% ド…

20220715 Key Figures on Europe 2022

ヨーロッパを理解する上で大変便利な冊子が出ていますのでご紹介します。ざっと図やグラフを見る(ビジュアル)だけでイメージがつかめる良品ですので、欧州に関係のある方は一瞥をお勧めします。 https://ec.europa.eu/eurostat/documents/3217494/14871939…

20220707 ドイツコロナ状況アップデート

「7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数)」で比較すると、欧州ではフランス(赤)、イタリア(緑)が1000超となっており、ドイツ(青)は約700で第2グループにいます。最近は日本(黄)でも感染がやや増え始めていますが(約150)、これら西…

20220706 ドルがバカ高いのであって、決して突出した円安になっているわけではありません

IMFの購買力平価(PPP、2022年)と本日の為替レート実勢を比較してみました。 TRADING ECONOMICS | 20 million INDICATORS FROM 196 COUNTRIES Download entire World Economic Outlook database, April 2019 (imf.org) ちょっと見づらいので表の該当部分を…

20220701 スイスとノルウェーはやはり物価水準高い

先ほどドイツ連邦統計局から、近隣諸国(主にバカンス旅行対象国)との食品・飲料価格差についての興味深いプレスリリースが出ていましたのでご紹介します。 Preisniveau für Nahrungsmittel unterscheidet sich in vielen Urlaubsländern deutlich von dem …

20220626 直接投資先としての魅力度:ドイツ2位、日本4位

ドイツと日本の国際ランキングが高いものが最近あまりないので、日頃から日独経済の架け橋となることを目指している私としてはちょっと困っていたのですが、ひとつ見つかりました。 米経営コンサル:A.T. カーニーの「海外直接投資信頼度指数 (The Kearney F…

20220504 ユーロ圏PMI、サービス主導で堅調

先ほど4月ユーロ圏総合PMIの発表があり、55.8(前月54.9)と、節目の50.0を大きく上回るしっかりとした内容でした。PMI Releases (markiteconomics.com) ウクライナ危機勃発による強い逆風を受けながらも、もともと雇用の堅調が維持されつつコロナが沈静化に…

20220425 マクロン再選でドイツ大安堵

まだ速報の段階ですが、マクロンがルペンに(予想以上に差をつけて)勝利し、再選確実ということで、ドイツ主要メディアが歓迎しながら大きく報じています。 フランス国民はマクロンの改革路線の痛みにうんざりし、左右両極端に大きく割れているのですが、そ…

20220405 ウクライナ危機の独仏米英内政への影響

ウクライナ危機でどの国もそれまでの内政的課題の優先順位が落ち、各国リーダーたちの立場にもいろいろな影響が出ています。以下ドイツメディアでの論調を簡単にご紹介します。 ドイツ当初は制裁や武器供与でえらく腰が引けていたため、内外からかなり批判さ…

20220320 核弾頭国別保有件数

ドイツのニュースで、 「核弾頭の数だけでいうと、ロシアの6,255に対し、仏290+英225で515に過ぎないので、圧倒的に不利」 という報道があったのでちょっと調べてきました。 ロシアのデータの出所はよく分かりませんでしたが、少なくとも英仏分についてはこ…

20220305 ロシア中銀の外準狙い撃ち

中銀の外貨準備というのは、ある種の国家機密のようなものなので、詳細までは開示されていないことが多いのですが、ロシア中銀は驚くほど透明な情報開示をしています。「BANK OF RUSSIA FOREIGN EXCHANGE AND GOLD ASSET MANAGEMENT REPORT」を見ると、ロシ…

20220227 ウクライナ危機のインプリケーション

ウクライナ危機については、本稿執筆(ドイツ時間2/27、午前11時)時点で ウクライナ軍の健闘(米露専門家の想定以上に長く持ち堪えている) 対露経済制裁一段の強化(ロシアの銀行の一部のSWIFTからの排除、ロシア中銀の資産凍結) ドイツを含むウクライナ…