日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

EU

20220926 イタリア総選挙結果(極右化)に対するドイツメディアの論評

欧州の週末のメインイベントは何と言ってもイタリアの前倒し総選挙だった訳ですが、ドイツの主要メディアの反応は以下のような感じ(なかなか面白いですもの)となっています。 予告済みのカタストロフィがやはり現実となった。 メローニ女史率いるFDIが、典…

20220925 ドイツ難民問題再燃の兆し

ドイツ難民問題再燃の気配が出てきました。 シリア、アフガン、トルコからの難民が前年比二桁増となっており、ドイツへの難民流入(赤線)が直近5年間の中で最高ペースになっています。それに加えてドイツはウクライナ難民(女性と子供中心)を積極的に受け…

20220922 ドイツコロナ状況アップデート〜再加速リスク要警戒

ドイツの再生産数(赤線;R)が1.0を上回る状態がずっと続いており、これまでの新規感染者数減少傾向が反転する可能性が高まっています。冬場に向けて再加速要注意です。 国際比較に最も適したベンチマークである「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日間の…

20220913 地球温暖化でドイツはどう変わるか

「地球温暖化によってドイツで今後何がどう変わりそうか」というテーマについて、ドイツのメディア等で言われていることを日々フォローして書き溜めているのですが、現時点での断面を以下ご紹介します。 日本の将来を考える上でも何らかの参考になりうるもの…

20220908 ECB記者会見のインプリケーション(本日75bp利上げ)

政策金利最終着地点のイメージはECBにない(誰にもない、FEDも同様)。近づいてきたら初めて分かるもので、今確かなのはその遥か下にいるということだけ。よほどのインフレ減速と景気マイナスがないと、利上げの手は止められない。 FED同様データ次第なので…

20220906 結局のところはEU/ドイツがロシアの戦費をまかなっている構図

フィンランドの独立系研究所CREAが、ロシアの化石燃料(原油、ガス、石炭)輸出について、興味深いレポートを発信していますので、そのエッセンスをご紹介します。 https://energyandcleanair.org/publication/financing-putins-war-fossil-fuel-exports-fro…

20220818 対中デカップリングの影響度分析(ifo)

ifo研から掲題について大変興味深いリサーチが出ていましたので、その内容についてご紹介します。 https://www.ifo.de/DocDL/Studie_Geopolitische_Herausforderungen_Folgen_deutsches_Wirtschaftsmodell.pdf <輸出依存度(GDP比) ドイツ:青、中国:赤、…

20220808 EFTA諸国は物価水準が高い分、インフレはマイルド

先ほどドイツ連邦統計局より興味深い小ネタ的発表がありましたのでご紹介します。 インフレ率を比べると、EUの+9.6%(今年6月)に対し、スイス+3.2%、ノルウェー+7.0%、アイスランド+5.4%と、EFTA諸国はEU諸国よりずっと落ち着いている一方で、ドイツの…

20220808 ドイツ安全の手引き2022

ドイツは非常に安全な国だという印象があるかも知れませんが、近年の人口10万人あたりの犯罪発生件数でみると、日本の10倍くらい危険な状況が続いています。 電車の中の居眠りや、いかにも土地勘のない観光客であることが丸見えな挙動は、犯罪のプロに「私を…

20220808 独週刊誌は表紙だけでもフォローする価値あります

英エコノミスト誌がグローバルな世相を鋭くえぐるような印象的な表紙を毎週繰り出してくることは有名ですが..... All editions | The Economist 個人的にはドイツの高級週刊誌Der Spiegelもなかなかのものだと思っており、フォローしています。練りに練られ…

20220804 BOE金融政策報告クイックチェック

BREXIT後、UKは欧州の一員でなくなり、ユーロ圏経済への影響も貿易減少で低下しているので、ドイツメインの私としては、正直あまりまじめに見る気にならないのですが、2,5,8,11月のBOE理事会と同時に出てくるMonetary Policy Report くらいは(3ヵ月毎に)チ…

20220731 ドイツの猛暑はもう心配なさそうですが、干ばつは引き続き要警戒です

今週水木(8/3,4)には今一度日中30度越えがありそうですが、今年の暑さはこれが最後で、ピークはもう完全に超えたと見てよさそうです。 (赤線:最高気温、青線:最低気温、青棒:降水量、ケルン近傍の予想) 42-Tage-Wettertrend: Heiße Hundstage bleiben…

20220729 ドイツGDP、CPI、雇用 おまとめコメント

①本日ドイツ2022年第2四半期のGDP速報が発表され、懸念されていたマイナスは回避し、前期比フラットで着地していました(Q1は+0.8%と大幅上方修正)。 速報なので内訳が見えない上、過去に遡って結構修正されている(昨年Q3▲1.0%pt、Q4+0.3%、今年Q1+0.6%な…

20220729 ドイツコロナ状況アップデート

ドイツでは最近ようやく再生産数(赤線;R)が1.0を下回り始め、新規感染者数(青棒)が(若干微妙ながらも何とか)減少に転じています。 7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の累計新規感染者数)でみると、ドイツは欧州の中で引き続きワースト10に入って…

20220723 世界最強の日本のパスポート

日本のパスポートは世界最強とよく言われますが、直近(2022年第3四半期)の「ヘンリー・パスポート・インデックス」では、日本がまた世界ランキング単独トップに輝いていました。これは英ヘンリー・パートナーズ社が国際航空運輸協会(IATA)のデータに基づ…

20220722 ドイツコロナ状況アップデート

●ドイツでは先月以来、再生産数(赤線;R)が1.0以下になかなか下がらず、 新規感染者数(青棒)の上昇トレンドが続いています。 ●7日間指数(人口10万人当たり直近7日間の累計新規感染者数)でみると、 ドイツは欧州の中でワースト10に入っています。 ①ギリ…

20220715 Key Figures on Europe 2022

ヨーロッパを理解する上で大変便利な冊子が出ていますのでご紹介します。ざっと図やグラフを見る(ビジュアル)だけでイメージがつかめる良品ですので、欧州に関係のある方は一瞥をお勧めします。 https://ec.europa.eu/eurostat/documents/3217494/14871939…

20220715 ドイツコロナ状況アップデート

いつものように定点観測していきます。 新規感染のベンチマークである「7日間指数」(人口10万人当たり直近7日日間の累計新規感染者数)で見ると、ドイツ(青)は719(7/15時点)と高く、欧州主要国の中ではイタリア(赤、1208)、フランス(1079)、オース…

20220714 ロシアからのガスが全部止まった場合のドイツ産業への影響

掲題についてのスイス/ドイツのシンクタンクPrognosの分析結果をご紹介します。 Lieferausfall russischen Gases – Folgen für die deutsche Industrie (prognos.com) 7月以降、ロシアからドイツへのガス供給が完全に止まったままになった場合には、【結論】…

20220714 EU委員会経済予測アップデート

EU委員会が3ヶ月毎に発表している経済予測が先ほどリリースされました。ウクライナ危機の悪影響長期化で、インフレは今年・来年とも上方シフト、GDPは来年大きめの下方修正となっています。 国別リスト:アイルランドのQ1GDPは大幅上方修正(多国籍外国企業…

20220713 日独間GAPが最も大きな領域のひとつ:男女格差

ダボス会議の主催者として有名な世界経済フォーラム(WEF)から「ジェンダーギャップ・レポート 2022」が発表され、ドイツは世界ランキング10位(前回11位)と、G7の中で唯一トップ10入りを果たしていました。 賃金の男女間格差は少し残るものの、ドイツは女…

20220712 EUR/USDのパリティ(1.00)割れトライ、いったん踏みとどまりました

EUR/USDのパリティが近づいています。インフレによる購買力急低下と併せて、最近はドイツ主要メディアで以下のような写真や表紙を頻繁に見かけるようになっています。 ユーロ安の原因(口実)とされているのは以下諸点です。ドイツでは「ECBの金融政策がそも…

20220710 「黄金の3年間」を「黄金」にできるかどうかは私たち次第です

本日(7/10)の本邦参院選(125議席改選)は(まだ開票速報中の段階ではありますが)、連立与党(自公)が参院の過半数を、改憲勢力4党で改憲発議に必要な参院の2/3超の議席を確保した模様です。岸田首相はこれから「黄金の3年間」、非常に強固な政治基盤を…

20220706 ドルがバカ高いのであって、決して突出した円安になっているわけではありません

IMFの購買力平価(PPP、2022年)と本日の為替レート実勢を比較してみました。 TRADING ECONOMICS | 20 million INDICATORS FROM 196 COUNTRIES Download entire World Economic Outlook database, April 2019 (imf.org) ちょっと見づらいので表の該当部分を…

20220701 スイスとノルウェーはやはり物価水準高い

先ほどドイツ連邦統計局から、近隣諸国(主にバカンス旅行対象国)との食品・飲料価格差についての興味深いプレスリリースが出ていましたのでご紹介します。 Preisniveau für Nahrungsmittel unterscheidet sich in vielen Urlaubsländern deutlich von dem …

20220628 ドイツガス不足のリスクは大幅低下

本日発表されたifo、キール、エッセン、ハレの4つの経済財研究所の共同研究(シナリオ分析)結果によると、下図の通り、来年にかけてドイツでガス不足(縦軸のゼロレベルを下回る)が発生する可能性は2割以下に抑制されているようです。 来年ガス不足(▲23.8…

20220627 ドイツエネルギー状況モニタリング

ショルツ首相のキエフ電撃訪問以来、ロシアからドイツへの天然ガス供給は、平時の4割程度に絞り込まれたままの状態が続いています。 EU全体で見ても、足元は平時の1/3以下の供給に落ち込んでいます。 ドイツの足元の電力供給においては、ガス(紫色)の石炭…

20220626 直接投資先としての魅力度:ドイツ2位、日本4位

ドイツと日本の国際ランキングが高いものが最近あまりないので、日頃から日独経済の架け橋となることを目指している私としてはちょっと困っていたのですが、ひとつ見つかりました。 米経営コンサル:A.T. カーニーの「海外直接投資信頼度指数 (The Kearney F…

20220625 世界住みやすい都市ランキングに想う

英経済誌Economistの調査部門EIUが「世界の住みやすい都市ランキング(2022年版)」を発表しました。世界173都市を対象に、①安定性、②ヘルスケア、③文化/環境、④教育、⑤インフラという5つの切り口、計約30項目の定量/定性データに基づいて都市の住みやすさを…

20220622 ここ数日ドイツで盛り上がっている原発活用再開問題について

ショルツ首相の独仏伊合同電撃キエフ訪問(6/16)をきっかけに、ロシアのドイツ向けガス供給(紫棒線の高さ)が6割減となっています。 そのため、ドイツ政府が画策していた冬場に向けてガス備蓄を増やし(キャパの9割)て今年の冬を凌ぐという戦略がワークし…