日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

EU

20220527 ドイツ政局アップデート(政権を不安定にするほどではないもののショルツ首相不人気)

最近のドイツ政党別支持率世論調査結果を見ると、 メルツ/ゼーダー党首率いるCDU/CSUが、20%台後半でトップ独走態勢を確立しつつあるのに対し、ショルツ首相率いるSPDは20%台前半でGreenに肉薄され、第2党の地位ですら危うくなりつつあります。 オンライン…

20220526 独中経済関係の現状と展望

ドイツの対中依存度の現状とその低下のための方策について、ZDF(ドイツ公共第二放送)が4分のビデオクリップ(ドイツ語ですが)にまとめてくれていますので、そのエッセンスをご紹介します。 Wirtschaftliche Abhängigkeit: Die Beziehung zwischen Deutsch…

20220524 各国(ユーロ圏、ドイツを含む)PMI速報について

●7月の利上げが迫っているユーロ圏ではありますが、本日発表された以下総合PMIを見る限り、サービス業主導でしっかりしており、今のところスタグフレーション(マイナス成長や失業率上昇を伴う状態)からは程遠い状況と思われます。雇用は堅調な一方、インフ…

20220516 EU委員会経済予測アップデート

本日発表されたEU委員会の四半期経済予測は以下の通りとなっていました: GDP今年 来年 CPI今年 来年 ユーロ圏 +2.7% +2.3% +6.1% +2.7% ドイツ +1.6% +2.4% +6.5% +3.1% 日本 +1.9% +1.8% +1.6% +1.5% 定量化は困難ですが、ウクライナ危機の影…

20220513 ドイツ経済の経済ブロック別依存度見える化

スイス・バーゼル大発祥の調査会社プログノス(Prognos)から「その後の世界」と題された興味深いレポートが出ています。 ウクライナ危機後の世界においては、経済圏のブロック化(分断)が進む可能性が高まっていますが、ドイツ経済が現時点でどのブロック…

20220505 ロシアの原油を買うのをやめたらドイツはどうなるのか

掲題について、ドイツ主要メディアの論調などを整理してざっくりまとめると以下の通りになります: ドイツが輸入する原油におけるロシアのシェアは、昨年末の35%から足元12%まで押し下げに成功している。 運搬・貯蔵が難しく、パイプライン(ノルトシュト…

20220504 ユーロ圏PMI、サービス主導で堅調

先ほど4月ユーロ圏総合PMIの発表があり、55.8(前月54.9)と、節目の50.0を大きく上回るしっかりとした内容でした。PMI Releases (markiteconomics.com) ウクライナ危機勃発による強い逆風を受けながらも、もともと雇用の堅調が維持されつつコロナが沈静化に…

20220502 ドイツ自動車クラブ(ADAC)の2022年故障統計 日本車健闘

先週、日本のJAFに相当するADACから、車の故障に関する年次調査報告(Pannenstatistik 2022)が発表されましたので、そのエッセンスをご紹介します。22社の132モデルが対象となっています。 Pannenstatistik 2022: Die häufigsten Defekte | ADAC 【ADACにつ…

20220501 ロシアのガスが止まるとドイツはどうなるのか

掲題の大問題については誰も明確な答えを示しておらず、漠とした不安だけが膨らむ状況が続いているのですが、最近ドイツの主要メディア等で報じられている材料を集めて整理すると、ざっくりではありますが以下のような感じになると思います。 EUのエネルギー…

20220430 ショルツ首相、ベアボック外相にも抜かれて政治家人気ランキング3位に転落

ドイツ公共第二TV放送(ZDF)が毎月(1-2回)実施している世論調査「Politbarometer」が昨日アップデートされ、その中の政治家人気ランキング(トップ10)に動きがありましたのでご紹介します。 Forschungsgruppe Wahlen > Aktuelles > Politbarometer 前回…

20220425 マクロン再選でドイツ大安堵

まだ速報の段階ですが、マクロンがルペンに(予想以上に差をつけて)勝利し、再選確実ということで、ドイツ主要メディアが歓迎しながら大きく報じています。 フランス国民はマクロンの改革路線の痛みにうんざりし、左右両極端に大きく割れているのですが、そ…

20220424 そろそろ独伊スプレッドも要注視

EUコロナ基金設立/EU共同債による資金調達開始以降、10年独伊国債スプレッドは100bp程度で低位安定していました。 EUコロナ基金はイタリアのGDPを今後4年間累計2%くらい押し上げる効果がありますし、EU共同債はイタリア国債の発行を増やさなくて済む上、ECB…

20220418 武器供与問題についてのドイツ主要メディアの論調

ドイツは、哨戒艇、潜水艦、戦車などの立派な武器輸出大国ではあるのですが、これまで、過去への歴史に対する反省から、紛争当事国への武器輸出は政治判断で回避してきました。そのため、ドイツは当初、他国がウクライナへの武器供与決定に踏み切る中で、ヘ…

20220413 ドイツ5大研経済見通し(露エネルギー禁輸の影響度など)

本日こちらにドイツ5大研(ifo、DIW、IfW、RWI、IWH)の経済見通しが発表されました。 http://gemeinschaftsdiagnose.de/ 経済成長(実質GDP)とインフレ(CPI)の水準自体は、概ね最近の他機関予測と同じくらいで特段新味はないのですが、レポートの中には…

20220405 ウクライナ危機の独仏米英内政への影響

ウクライナ危機でどの国もそれまでの内政的課題の優先順位が落ち、各国リーダーたちの立場にもいろいろな影響が出ています。以下ドイツメディアでの論調を簡単にご紹介します。 ドイツ当初は制裁や武器供与でえらく腰が引けていたため、内外からかなり批判さ…

20220404 オランダのちょっとだけ安いガソリンを買いに走るドイツ人

オランダでは今月からガソリン減税(2割強)が始まっており、その結果、ガソリンの小売価格がドイツよりリッター当たり10~20セント安くなっています。 そのため、ドイツ国境近くのオランダのガソリンスタンドを訪れるドイツ人顧客数は平時の8~9割増になっ…

20220326 ウクライナ危機に伴う小麦価格高騰への対策

ウクライナ危機をきっかけに、二つのF(FuelとFood)が問題になっています。ドイツでも最初は天然ガスとガソリンで大騒ぎだったのですが、その後、主食のパンを直撃する小麦の大幅な価格上昇についての話題がじわじわ広がっています。 小麦の生産量でみると…

20220322 ドイツコロナ状況アップデート

ドイツでは連日20万人以上の新規感染が発生しており、まだまだコロナが収まる気配はありません。 ヨーロッパ全体としては一応ピークアウトしている(下図上のチャート)ものの、ドイツだけでなくドイツの隣国であるオーストリア、スイス、オランダなどを中心…

20220321 ドイツの外国人宿泊数は2020年、2021年とコロナ前の1/3に減少

本日ドイツ連邦統計局から、昨年の外国人延べ宿泊者数の発表があり、下図の通りトップ5は、①オランダ、②スイス、③ポーランド、④オーストリア、⑤米国で、 ロシアは23位(268千人、シェア0.9%)となっていました。 外国人延べ宿泊者総数はコロナ前(2019年)…

20220320 核弾頭国別保有件数

ドイツのニュースで、 「核弾頭の数だけでいうと、ロシアの6,255に対し、仏290+英225で515に過ぎないので、圧倒的に不利」 という報道があったのでちょっと調べてきました。 ロシアのデータの出所はよく分かりませんでしたが、少なくとも英仏分についてはこ…

20220318 ウクライナ危機はドイツのGDPを1%強押し下げ、インフレを2%程度押し上げ

いくつかのドイツ有力機関からウクライナ危機反映後の ドイツGDP/インフレ予測が出てきたので まとめてみました。 ウクライナ危機前の予想と比べてみると、GDPは1%強切り下がり、インフレは2%押し上げられるイメージとなっています。 ちょうどOECDからウク…

20220315 どさくさにまぎれてEUのお財布にされつつあるドイツ

ギリシャ危機をきっかけに、窮地に陥った同胞たち(南欧諸国)を救うため、ユーロ圏では財政規律に目をつぶり、ECBがこれらの国債を買い支えるというのが当たり前になりました。その結果、超インフレなのにマイナス金利からすぐには抜け出せないというドイツ…

20220309 ウクライナ危機に対するドイツメディアの論調

全てを追い切れているわけではありませんが、ドイツにおけるウクライナ危機関連報道の中で、個人的に気になったものを以下書き留めておきます: 民間人を人道回廊で逃がした後にはロシアからの攻撃が本格化する。長期化を避けたいロシアにその気が全くないの…

20220307 ドイツのガソリン代、すかさず急騰

本日はロシア産原油の禁輸に対する思惑で、原油価格が急騰しているのですが(下図は北海ブレント価格)、そのあおりを受けてドイツのガソリンスタンドでの価格も早速上昇しています。 Brent crude oil - 2022 Data - 1970-2021 Historical - 2023 Forecast -…

20220306 ウクライナ危機に関するデモ、シナリオなどについてのドイツでの報道ぶり

ロシアのウクライナ侵攻以降、ドイツ各地で大規模な反戦/反プーチンデモが連日展開されています。これまでの主流は反コロナ(ワクチン義務化)デモでしたので、流れが大きく変わった感じです。 以下の写真は昨日(3/5)デュッセルドルフ市内で行われたもので…

20220306 「プーチンの戦争」

今回のロシアによるウクライナ侵攻は、ドイツでは「Putins Krieg」 ~プーチンの戦争(ロシアというより、プーチン個人の暴走による戦争)と表現されています。 コロナの年(2020年)の流行語大賞(Wort des Jahres)が「Corona Pandemie」~コロナパンデミ…

20220305 ロシア中銀の外準狙い撃ち

中銀の外貨準備というのは、ある種の国家機密のようなものなので、詳細までは開示されていないことが多いのですが、ロシア中銀は驚くほど透明な情報開示をしています。「BANK OF RUSSIA FOREIGN EXCHANGE AND GOLD ASSET MANAGEMENT REPORT」を見ると、ロシ…

20220304 ウクライナ危機に対するドイツ主要メディアの論調

ウクライナからの難民は、とにかく迅速に気持ちよく受け入れるべき。現時点で120万人以上がEU(うち65万人がポーランド)入りしているが今のところ概ねうまくいっている。(ただし、誰も声高に言わないか、女性と子供が中心なので犯罪者になる可能性が低くて…

20220303 ウクライナ危機についての現時点でのドイツ人の受け止め方/メディアの論調

ウクライナ危機では、NATO側からこれ以上打つ手のないまま民間人の犠牲者が激増しており、ニュースを見ているだけで心が痛みますが、 ドイツにおける受け止め方と、主要マスメディアでの論調についてご紹介します。 ●ドイツ政府の危機対応に対するドイツ国民…

20220228 プーチンの核兵器使用示唆に対するドイツの見方

プーチン露大統領が「核戦力を含む軍の核抑止部隊に対し任務遂行のための高度な警戒態勢に移行するよう指示した」というニュースがドイツでも大きな話題になっています。素直に読めばロシアが核兵器使用に一歩近づいたかのように受け取れるアクションです。 …