ドイツ連銀が、「彼らが見ているグラフの形」で各種経済・金融指標をこちらにまとめてくれているので、大変便利です。
Die deutsche Wirtschaft auf einen Blick (bundesbank.de)
ドイツ連銀は6月に以下の半期経済予測を発表しており、その後予想以上のコロナ拡大と大洪水発生という新材料が出てきたものの、今のところドイツ経済は概ね想定通りに推移していると思います。
上記リンク先のpdfチャートをざっと見て頂くだけで、イメージはつかめると思いますが、以下、主なチャートに私なりのコメントを付しておきます。
①実質GDP(水準)
Q1は想定外のロックダウン強化で前期比▲1.8%と凹んだが
Q2は前期比+2%程度と強めに戻したとの感触(7/30発表)。
早ければQ3(相応に強そうだが、市場予想の前期比+3.8%
を上回れるかは微妙)にもコロナ前の水準を回復できる見込み。
②製造業生産
半導体不足に伴う自動車生産の大きな落ち込みで受注(後述)比大きく見劣りするが、
今後受注残消化で回復見込み。
③小売売上
商店再開によるリベンジ消費で足元堅調。
④製造業受注(上)自動車も含めて堅調。
建設受注(下)低金利を背景に高水準横ばい。
⑤物価
川上物価(輸入物価:青、生産者物価:橙)は
エネルギー、原材料価格高騰を受けて過去最高水準に加速。
CPI(黒)は既に高いが、今後7月から12月までは
昨年のVAT引き下げのベース効果もあり、4%目指し。
⑥単位労働コスト
日本と異なり、コンスタントに上昇継続。
労働組合は今後数年+2%以上の賃上げでないと妥結しない(要求水準は倍以上)。
⑦雇用
操短制度をフル活用して大幅失業増回避に成功。
米国と異なり、短縮操業を通常操業に戻すだけなので人手不足は起こり難い。
先行指標(グラウにないが、求人数など)は今後の強い雇用回復を示唆。
⑧政府債務残高(黒)大規模財政出動後もGDP比70%台どまり(極めて健全)。
財政収支(赤)基本法上のBlack Zero要請を特例で免除。