日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20210811 ドイツ総選挙(9/26)では本来脇役だったはずのSPDとFDPの立場が強くなりつつあります

本日発表された世論調査、KantarとForsaでは、ラシェット氏が率いるCDU/CSUが第一党の座をかろうじて維持しているものの、Greenとの差は縮小し、かつ両党だけでの連立政権樹立(メインシナリオの実現)が難しくなりつつある状況が浮き彫りになりました。 

ドイツ主要世論調査8つの平均をとると
CDU/CSU:26.7%、Green:19.0%、SPD:17.1%、FDP:11.0%
となっていますので、CDU/CSUが第一党としてメルケル後継次期首相を輩出する可能性は引き続き圧倒的に高いと見ています。

f:id:dateno:20210812001503p:plain

 

ドイツでは5%(足切り)条項があるので、この死票を勘案すると、合計46.2%で過半数確保が可能なのですが、CDU/CSU+Greenの2党だけでは45.7%にしかならず、この黒緑連立による過半数確保が怪しくなっています。
これは、これまで脇役とみられてきたSPDとFDPの立場が相対的に強くなりつつあることを意味します。

f:id:dateno:20210812001739p:plain 


ドイツ次期首相レ-スにおけるラシェット優位(8割超)は揺るがないと見ますが、連立政権はFDP(ラシェットに協力的)も加えたジャマイカとなる可能性が高まりつつあるように思います(上図右端のシナリオ確率も今回調整しました)。

 

ちなみにこちらのUKブックメーカーのオッズでは、GreenのベアボックよりSPDのショルツの方が有力な対抗馬と見始めています。

ショルツは現副首相兼財務相としてもともと実績がありますし、今回の洪水対応でも株を上げています。上記のように、脇役ながらもSPDの立場は強まっているので、あわよくば首相を輩出できる可能性が高まってきているということです。真剣にお金をかけている人たちだけあって、ホントよく見ているなと感心しています。 

f:id:dateno:20210812002945p:plain

Next German Chancellor | Politics odds | Smarkets betting exchange