日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20210830 ドイツ選挙 SPD優勢でシナリオ大幅変更

先ほど、TV討論会後初の世論調査結果としてINSAが出ましたが、SPDのリードがしっかり拡大しており、TV討論でのショルツ優勢が結果として現れた格好になりました。

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Sonntagsfrage – INSA / YouGov (wahlrecht.de)

 

SPDが第一党となる可能性が高まりましたので、選挙結果のシナリオ分布は以下のようになると思います。

【連立政権】

①信号機50%、②赤々緑、ジャマイカ各25% 
<いずれも交渉は難航し、年内樹立は困難>

 

【次期首相】

①ショルツ 75% (信号機又は赤々緑)、②ラシェット 25% (ジャマイカ

 

 

赤々緑の実現には、左派党(Linke)が積極的国防スタンスを容認することが絶対条件になりそうなので、実現は容易ではない(確率25%以上には上がりにくい)とは思いますが、SPD左派の傀儡候補であるショルツ(実際にSPD党首選では惨敗している)が敵失で消去法的に人気化し、政権の左傾化リスクが高まっているということは言えると思います。

 

今後のCDU/CSUの巻き返しの方策として考えられるのは以下の通りです:

  • TV討論等の場で、赤々緑による左傾化リスク、CDU/CSUの睨みが利かなくなれば産業界の負担が急増しかねないことを繰り返し訴える
  • CDU/CSUには人材が豊富であることをうまくアピールする(SPDが所詮ショルツの一本足打法であることを浮き彫りにする)
  • 政権を獲得した場合の100日計画を明示する
  • 投票直前に、ショルツ蔵相に対するネガティブキャンペーン(大荒れのハンブルクG7、EX-CUM問題、ワイヤーカード問題等)を断行する
  • (ラシェットからゼーダーへのスイッチはない)
  • (選挙に一切関与しないことをポリシーとしているメルケルからの肩入れは期待できない)

 

ここから9/26の投票日に向けては、潮目の変化がかなり激しくなると思われるので、引き続きリアルタイムでフォローします。