ドイツの世論調査については、長年の実績があるこちらをメインでウォッチしているのですが、この大半が1週間/1か月毎の更新で、リアルタイム性にやや不満があります。
Wahlumfragen zur Bundestagswahl 2021 – Sonntagsfrage (Wahlumfrage, Umfragen) (wahlrecht.de)
そこで便利なのがこちらのCivey。オンライン世論調査データをうまく加工してバイアスを排除しながらリアルタイムで政党別支持率を推計してくれています。
新興の調査会社ながらもシュピーゲルにも採用されており、信頼できそうです。こちらでもSPDがCDU/CSUをわずかながらリードしていることが確認できます。
Erfahren Sie, was Deutschland denkt - Civey
なお、ここ数日のドイツ有力メディアの論調から考えて、現時点では以下(いずれも読み/観測です)が連立組み合わせの見極めのために重要と考えています。
- SPDは信号機連立(SPD+Green+FDP)を軸に考えており、FDPのリントナー党首を財務相で迎え入れる用意がありそう(すでに閣僚リスト案ができているとの観測すらあり)
- ショルツは個人的にはLinke(左派党)との連立を今からでも完全に排除したく思っているが、SPD(特に党を支配している左派勢力)としては、①FDPを牽制するため、②左派色を強めるため、に現時点での排除をショルツに許さない(ショルツの党内基盤は決して強くない)
- Greenはアフガン問題後、NATOすら否定するLinkeとの連立にますます消極化している(赤々緑に対する唯一の歯止めとして期待できる)
- Linkeは6-7%で政権に入れるなら、多少の譲歩の用意あり(ビジネス界としてはこれがとても怖い)
- CDU/CSU+SPDを軸とする組み合わせが可能になりそうな材料はまったく出てきていない(シナリオから排除できる)
上記を踏まえて、現状の以下シナリオを維持します。
【連立政権】
①信号機50%、②赤々緑、ジャマイカ各25%
<いずれも交渉は難航し、年内樹立は困難>
【次期首相】
①ショルツ 75% (信号機又は赤々緑)、②ラシェット 25% (ジャマイカ