ドイツ国立感染研究所(RKI)の日報(毎日10時頃独語が先に出て、英語が少し後に出る)と週報(毎週木曜、独語のみ)がこちらにリリースされるので、リスク管理のために必ず(ざっと)チェックするようにしています。
今回は英語版があるRKI日報の活用法をご紹介します。
基本的には以下の図を順番にさっと眺めていくだけでよいと思います。慣れてしまえば所要時間は2-3分程度です。
①まずはキーとなる指標の一覧
7日間指数(市町村毎の人口10万人当たり直近7日間の新規感染者数):83.8
入院患者の7日間指数:1.95(60歳以上では2.78)ピーク時15比かなり低い
重症入院患者数:1,395人(重症病床の6.2%を占有)ピーク時の5,762比低水準
N1(ワクチン1回目):66.3% ここがこれ以上なかなか上がらない
②次に7日間指数のヒートマップ
自社の周辺がどれくらい危険なのかを視覚的に把握します。
西から東に濃い赤いエリア(7日間指数の高い地域)が広がっています。
③州毎の7日間指数推移
ブレーメンは高水準かつ上昇継続でよろしくありませんが、
他州は落ち着き始めていることが判ります。
④再生産数(R)と新規感染者数推移
再生産数がなかなか1.0を割ってくれないので、新規感染者数は高止まりが続いています。0.8くらいに下がってくれないと、しっかりとした減速感は出ません。新たに打てる妙手がない中、冬場に向けて室内活動が増えるので、この程度の減速では楽観できません。
ドイツの現状を私なりに総括すると、
- ワクチンを打ちたい人(6割超)はほぼ打ち終わり、残るは懐疑派
- ドイツは他のどこの国よりも「ワクチンを打たない自由」を尊重するので、ワクチン推進のために有効な手立てがない
- 幸い医療キャパには余裕があり、感染してもまず死んだりはしない
- 死ぬわけではないので、行動制限強化には踏み切れず、ワクチン接種も進まない
- ワクチン未接種者を中心に新規感染は比較的高水準(ドイツが「高リスク国」視する日本より高い)
- ワクチンを打っていてもブレークスルー感染は防げないので、感染したくなければ行動制限以上に保守的に行動し、自衛するしかない
なお、一般のWEBサイトとしては、過去に何回かブログでも紹介したこのポータルが極めて便利なので、WEB翻訳をかけながら併用されることをお勧めします。
Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)