昨日のドイツ総選挙では以下のような議席配分が決まりました(暫定結果)。
①SPD:28.0%、②CDU/CSU:26.7%、③Green:16.1%、④FDP:12.5%
今回の選挙では、「現在の大連立(CDU/CSU+SPD)にはもうこりごりで、この際思い切った新規蒔き直しをお願いしたい」という国民の願いがはっきりしたので、議席数の上で最も素直な連立組み合わせである「大連立(①+②)<54.7%>」は後回し(他の全ての交渉が行き詰まった際の最後の手段)にして、
A)環境政策重視の「信号機連立(①+③+④)<56.6%>」か
B)経済重視の「ジャマイカ連立(②+③+④)<55.3%>」
の可能性がまず模索されることになります。
GreenはSPDを、FDPはCDU/SCUを最も自然な連立パートナーと見做しているのですが、政策的な隔たりが最も大きなGreenとFDPの両党でまず事前調整(Vorsondierung)をしようという話になっており、これは両党が共同で事実上のキングメーカーになろうとしているということを意味しています。
通常は第1党が自党から首相を出すことを当然の前提として、上から目線でジュニアパートナーに順次声掛けするというのが普通なので、今回はまさに異例の展開です。
Greenの連立交渉は、同党の首相候補だったベアボックと共同党首のハベックが共同で担当しますが、連立交渉がまとまった暁には、副首相にはベアボックではなくハーベックが就任することになりそうです。ベアボックはこのようなかたちで、Greenの選挙結果が期待比今一つだったことに対する責任を取る模様です。
ちなみに、UKブックメーカーのオッズを見ると、選挙結果を受けて、
ショルツ対ラシェットは9対1くらいになっています。党内基盤がボロボロのラシェットではジャマイカ組成まで持ち込めそうもない(途中で辞任を迫られそう)という読みだと思います。
このプライシングをそのまま信じるなら、信号機9割、ジャマイカ1割という生起確率となります。
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