ドイツの大統領は国家元首ではあるものの、米国やフランスの大統領とは全く異なり、政治的な権力を持たず、（国王や天皇のように）儀礼的、形式的な職務のみを遂行します。
行政の責任者であり、不人気な政策も敢えて遂行せざるを得ない立場にあるメルケル首相と比較するのはフェアでない（従って、大統領は通常の政治家人気ランキングから除外されている）のですが、こちらのシュタインマイヤー大統領（65）は、実はドイツで最も人気があり尊敬を集めている政治家です。
シュタインマイヤー氏はSPD出身で、2度にわたって計約7年間外相を務め、ウクライナ危機の仲介役としても知られています。在任中、メルケル首相から絶大な信頼を得ていました。
ドイツ大統領の任期は5年で、シュタインマイヤー氏は2017年3月に大統領に就任しているため、来年2月に改選時期を迎えます。連邦議会（下院）議員と各州・特別市代表から構成されるドイツ連邦大会議による選挙になりますが、現時点で有力な対抗馬が全くいないため、再選濃厚となっています。
直近の世論調査でも、国民の70％が（連立政権の構成の如何に関わらず）彼の再選（1回は可能）を望んでいます。
同氏は日本語WIKIにも紹介されています。
フランク＝ヴァルター・シュタインマイアー - Wikipedia
なお、ラシェットの総選挙での大敗の一因となった「不謹慎な笑い」は、このシュタインマイヤー大統領が洪水被災地で励ましのスピーチをしている後ろに映り込んでいたものです（0：57～）。隣の女性から何か面白いことを言われて、素直に反応しただけのようにも見えるのですが、最悪のタイミング/最悪の絵でTVに映り込んでしまい、SNSなどでこれでもかと拡散されてしまいました。
(4) Laschet über sein Lachen bei der Unwetter-Pressekonferenz | WDR Aktuelle Stunde - YouTube
