9月26日のドイツ連邦議会選挙で歴史的大敗を喫し、第2党(ほぼ確実に野党)に転落したCDUの党首選プロセスが確実決定・発表されました。
今回同党としては初めて40万人ものCDU党員から票を集めることになったので(投票はオンラインと手紙の二本立て)、かなり丁寧で時間のかかるプロセスになっています。
党首を含め、今回は幹部を根こそぎ入れ替えようということになっており、野に下って党をどう立て直すかについてはその顔ぶれが揃ってからということになります。
【スケジュ-ル】
- 11/6-11/17 立候補者募集
- 11/18-12/2 選挙戦
- 12/4-12/16 1回目投票(過半数確保者が出ればここで決まり~可能性低い)
- 12/28-1/13 2回目投票
- 1/14 結果発表
- 1/21-1/22 党大会(ハノ-ファ-)で上記結果に基づく形式的党首選出手続
来年最初のザールラント州議会選が3/27に迫っているので1/22では遅いという批判や不満もあったようですが、幸い同州はCDUが極めて強い地盤(AKK前党首の地元)です。
CDUでは他党のような男女ペアによるダブル党首は(無理やり)追求しないことになりました。但し、他の有力者を自分の右腕として指名し、チーム的に立候補することは可能です(現党首のラシェットは、若手ホープのシュパーン保健相をサブとして前回の党首選に勝利しました)。
今週末にも候補者が名乗りを上げてくることになりますが、現時点で出馬が有力視されているのは以下5名です(女性は見当たりません)。
- レトゲン議員:外交専門家/中道/落ち着いたスマートな物腰で現在党員一番人気
Norbert Röttgen – Wikipedia - メルツ議員:経済専門家/右派/既に2回惜敗していて後がなく、チ-ム組成(4か5あたりと)を模索/従来党員1番人気とされていたが最近党内で1に押され気味
Friedrich Merz - Wikipedia - ブリンクハウス院内総務:冷徹なイメ-ジ/当選議員内で幅広い支持/4-5とも親交
Ralph Brinkhaus – Wikipedia - シュパ-ン保健相:若手筆頭候補/コロナ対策で苦戦/ラシェットとチーム組んでラシェットを党首にしたが得られるものがほとんどなかった(チームのリスク)
Jens Spahn – Wikipedia - リネマン議員:若手/経済専門家(メルツと組む可能性あり)/TV露出多く人気
Carsten Linnemann – Wikipedia
これらのプロセスは別途進んでいる信号機連立の行方やその政策の方向性には全く影響しないと思いますが、ドイツ政局のサイド情報としてご参考まで。