日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20211121 ドイツコロナ状況アップデート

コロナ状況のモニタリングに関して最も気が利いているベルリナ-・モルゲンポスト紙特設ポータルサイト(ドイツ語ですがWEB翻訳でご活用ください)のデータ/グラフを使ってざっとチェックしておきます。

Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)

 

●新規感染者数

グラフにある通り、毎日5-6万人の新規感染者が発生しており、過去最悪のウェーブに見舞われています。医療キャパもタイト化しており、政府の危機感も過去最高水準に達しています。

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但し、ワクチン普及のおかげで死者数は昨冬のピーク比圧倒的に少ないこともあり、市民の危機感は昨冬ほど高くなく、日本のようにマスク着用が常時徹底されるという状況にはなっていません。

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ワクチン接種が遅れている子供/若年層の感染が中心であるため、新規感染者数急増の割に死者数は増えていませんが、最近の大人の新規感染の4割以上がブレークスルー感染となっているので、かなり危険な状況であることに違いはありません。

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なお、日本では絶対人数の大きさだけを見て報道されているようですが、ドイツは人口が83百万人と欧州他国比圧倒的に多いので、人数は常に大きく見えてしまうという事実を忘れてはいけません。

新規感染者数の人口当たりの比率で見ると、ドイツは欧州で常に中位以下であり、ドイツが欧州で最もひどい状況に陥っているかのような誤解してはいけません。

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●再生産数

1.0を大きく上回る状況が続いており、当面減速は期待薄です。

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●入院患者7日間指数(人口10万人当たり直近7日間入院/重症患者数)

今後州単位で追加措置を導入するにあたっての新たなベンチマークとして重要視され始めたため、こちらのポータルサイトでの掲載が始まりました。

 3超:2G(レストラン、イベント等ワクチン接種済か治癒済のみ入場可)

 6超:2Gプラス(上記にさらに陰性証明を義務付け)

 9超:接触制限、店舗閉鎖など必要な追加措置

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●新規感染者7日間指数(従来のベンチマーク

色遣いによる区別が難しいほど全独全てが高水準となっていますが、ロックダウン+ワクチン義務化で話題になったオーストリア国境付近に1000人超(濃い紫色)の市町村が集中しています。これらの市町村では既により厳しい行動制限(パーシャル・ロックダウン)が導入されています。

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ワクチン接種状況

ワクチン接種率は7割でほぼ頭打ちになっています(ブースター接種6.3%、フル接種67.9%、1回以上接種70.4%)。

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最近のワクチン接種はブースター接種(濃い青)が大半です。

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COVID-19 Impfdashboard

 

ドイツでは個人の自由が強く尊重されており、ワクチン接種義務は病院・介護施設職員に限定されています。

上記の2Gルール拡大などで新規接種を促そうとしていますが、ドイツより新規感染率が低いスペイン、フランス、イタリアのようにワクチン接種率を8割近傍に引き上げるのはかなり難しいと思います。