本日ドイツ連銀の月報が発表されました。
Monatsbericht - November 2021 | Deutsche Bundesbank
その中のインフレに対するコメントがかなりの危機感を滲ませていたのでご紹介します:
- 昨年後半、付加価値税を一時的引き下げていたことの反動による足元のCPI押し上げ効果は+1.25%程度あるが(紺色棒線)、それを差し引いても足元のインフレはかなり高い。
- 加えて、足元のエネルギー価格高騰分は大半が来年以降になって初めてCPIに転嫁される。
- 来年は上記の付加価値税ベーシス効果が剥落するので、CPIはある程度低下していくるはずだが、ヘッドラインCPIが3%超に長い時間とどまる可能性やコアCPIが2%を大きく上回る可能性がある。
今年末に志半ばで去って行くヴァイトマン総裁の気持ちを慮ったというわけではないのかも知れませんが、現行の過度に緩和的なECB金融政策は少なくともドイツの国益には反している、というドイツの多くの知識人が共有している不満を表現した分析になっているように思います。