先ほどOECDの経済見通しがアップデートされましたのでざっとチェックしました。
https://www.oecd.org/economic-outlook/
ドイツのGDP軌道は足元(年末から来年初にかけて)前回/5月予想より大きく下ブレた後(ifo, PMI, EUサーベイ、独連銀WAIなど各種景気先行指標と整合的です)、徐々にキャッチアップするイメージになっています。
来年はかなりのリベンジ時消費(個人消費+6.8%)が見込まれています。
インフレについてはさすがに全体的に予想が切り上がっています。
- ユーロ圏(青線)は今をピークに急速に下がるものの、2%近傍で下げ止まることになっており、現在のECBの深い(▲0.5%もの)マイナス金利を今後何年も正当化できるような状態ではないように見えます。
- 米国(赤線)はさらに厳しい状況なので、(FRB議長再任が決まったとたん)利上げ前倒しが検討され始めています。
- 日本(緑線)はコストプッシュの悪いインフレでしょうが、デフレ脱却の形が整いそうな感じです。
ドイツ単体のインフレについては、ヘッドラインが「今後低下へ」となってますが
賃金は結構上がり(赤線)、CPIはその後2%以上でとどまり続ける(青線)という見通しになっています。
ドイツのメディアや知識人も概ねこういうインフレ推移を共有しているため、ヴァイトマンドイツ連銀総裁(抗議)辞任表明以降、ECBは無責任だと批判する声一色で、ECBを擁護する論調はほとんど見られません。
ちなみにOECDの予測は、2023年のドイツGDP予測値については他機関比最も強気なものとなっています。