ドイツの新聞・雑誌をデジタルで購入するにはこちらのiキオスクが便利なのですが、表紙の画像やタイトルをざっとチェックするだけでもドイツの世相が理解できるので愛用しています。
Digitale Zeitungen, Zeitschriften und Magazine als ePaper (ikiosk.de)
日本と異なり、元旦は発行物がほとんどないのですが、本日1/2付で出た新聞のうち、ドイツ最大の新聞(発行部数約100万部)であるビルト紙が「2022年、(ショルツ新政権が掲げる政策のうち)ドイツ人にとって重要なものとそうでないもの」という特集(アンケート結果へのコメント)をやっていてそれが一番面白そうだったので、簡単にご紹介させて頂きます(私自身の補足も加えています)。
<重要なもの3つ>
- コロナ対策(重要と回答した国民の割合:61%)
今年はとにかくコロナ(オミクロン)を何とかして欲しいという要望が最上位。昨年までTVコメンテーターとして活躍していたラウターバッハ氏は、連邦保健相としてコメントだけでなくアクションで結果を出せるかどうかが問われている。 - 年金(60%)
ベビーブーマーの引退が近づいていることもあり、年金は保険料を上げることなく、十分な受給額をしっかり確保して欲しいという要望が高まっている。 - 介護(60%)
低賃金でキツい職場である介護業界はただでさえ人出不足なところ、コロナのため(職員ワクチン接種義務化を含む)キャパ不足に一層拍車がかかっている。ここでもラウターバッハ保健相の手腕が問われている。
<重要でないもの3つ>
- 国防予算増強(14%)
予算不足で兵器のメンテもままならない中、ロシアの脅威と米国からの圧力も高まっているが、国民はそんなことは後回しでいいと思っている模様。 - 大麻合法化(11%)
闇社会の資金源を断ちつつ、税収を増やすという妙案ではあるものの、先行するオランダで必ずしもうまく行っているように見えていないという面もあり、国民の支持は低い模様。 - EV補助(11%)
気候変動対策は46%で重要度中位ながら、補助金等でEV普及を支援することはそれほど重要と思われていない模様。自動車産業のおいしい補助金となっているだけで、電力自体をグリーン化しないとカーボンニュートラルに全く寄与しないからということか。
【ご参考】日独全国紙 発行部数比較
日本では読売新聞の7百万部を筆頭に、百万単位であるのに対し、
ドイツでは最大のビルトでようやく1百万部、南ドイツ新聞30万部、
フランクフルターアルゲマイネ20万部、ハンデルスブラット10万部という規模感です