日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220109 ドイツもいよいよオミクロン感染急増に備えるべき局面

ドイツでは引き続き世界で最も厳しいコロナ対策が講じられているので、オミクロンの広がりも他国比遅れ気味になっています。

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COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk)

 

ドイツの新規感染

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ヨーロッパ全体の新規感染

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しかし、ここ数日で再生産数が1.3台にまで切り上がってきたので、まもなくドイツでもオミクロンの感染急拡大を覚悟しておくべき局面に入ったと思います。

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Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)

 

このような状況を受けて、先週1月7日、ショルツ首相と連邦各州首相による協議(コロナサミット)が行われ、ブースター接種を含むワクチン接種の更なる促進に加えて、更なる制限措置の強化について合意されました(最終手段としてのワクチン接種義務化もずっと議論されているのですが、反対が根強くなかなか前進しません)。

 

以下は今回決まった新ルール(最大のポイントは、①修正2Gプラスルール適用~ブースターで検査が免除される、②隔離期間の短縮)についてのデュッセルドルフ総領事館からの注意喚起メール抜粋です。

既にいろんなルールが積もりに積もっていて、正直訳が分からなくなっていますが、「ルールを何よりも大事にする」ドイツ人だからこそなせる業なのではないかと思います。

 

1 飲食店における2Gプラスルールの適用
飲食店(レストラン,カフェ,バー,パブなど)に入店する際には,現在2Gルールが適用されているところ,感染者数に関わらず,ドイツ全土で2Gプラスルールを適用する。
(注1)2G:ワクチン接種者(geimpfte),感染からの快復者(genesene)
(注2)2Gプラスルール:2G(ワクチン接種者や感染からの快復者)であっても,日々の有効な陰性証明書またはブースター接種を行った証明を提示できる者のみ入店可。ブースター接種については接種当日から有効。

2 隔離にかかるルールの変更
(1)一般的な隔離期間の短縮
感染者の隔離(Isolation)と濃厚接触者の隔離(Quarantaene)の期間は,これまで14日間であったところ,今後は原則として10日間とする。
また,感染または濃厚接触の7日目以降に,PCR検査や認証済抗原迅速検査の陰性証明により,隔離を早期に終了させることも可能。

(2)ブースター済みの濃厚接触者等に対する隔離免除
ブースター接種済みの濃厚接触者は,隔離(Quarantaene)は免除される。また,予防接種を最近完了した者や最近感染から快復した者についても隔離は免除される。

(3)医療・介護施設等の勤務者に対する措置
医療・介護施設に勤務する者が感染した場合,隔離(Isolation)7日目以降に行ったPCR検査の結果が陰性であり,かつ直近48時間以内に無症状であれば,職務に復帰することができる。

(4)濃厚接触者としての児童・生徒及び幼児に対する隔離期間の短縮
児童・生徒や保育施設に通う幼児が濃厚接触者である場合,隔離(Quarantaene)5日目以降に行ったPCR検査又は抗原検査の陰性証明書があれば,隔離を終了することができる。
なお,毎日検査が行われている場合やマスク着用義務などの厳格な感染対策が行われている場合には,隔離措置の例外も可。

3 文化・余暇イベント及び小売店における2Gルール(継続)
(1)文化・余暇イベント及びその施設等(映画館,劇場など)の訪問にあたっては,感染者数に関わらず,ドイツ全土で引き続き2Gルールを適用。
(2)小売店(Einzelhandel)においても,引き続き2Gルールを適用。ただし,生活必需品を取り扱う店舗(注:スーパーマーケット等)は適用対象外。
(3)ただし,ワクチン接種を受けることのできない者,ワクチン接種が推奨されない者,18歳未満の未成年者は除く

4 クラブやディスコの閉鎖(継続)
 当面の間,屋内のクラブやディスコは閉鎖され,ダンスイベントは禁止される。

5 私的な集まり(継続)
(1)ワクチン接種者や快復者のみが参加する場合であっても,私的な集まり(private Zusammenkuenfte)は,最大10人までに制限される。14歳未満の子供は例外。
(2)ワクチン未接種者及び快復者ではない者が参加する,私的な集まり(private Zusammenkuenfte)においては,引き続き自らの世帯と最大2名までのもう一世帯に属する者に制限される。14歳未満の子供は例外。

6 FFP2マスクの推奨
閉鎖された空間内,人と集うとき,さらには小売店での買い物や公共交通機関の利用にあたってはFFP2マスクの着用を強く推奨

7 その他
(1)新たな定めのない限り,12月の合意は引き続き有効。
(2)次回の連邦と州の協議は2022年1月24日に実施する。<

 

 

ドイツにとって「ワーストケースの先行指標」となってなりそうな、ロンドンの状況はこちらで確認できます。Cases in London | Coronavirus in the UK (data.gov.uk)

英国の勇敢なノーガード戦法でも、7日間指数(人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数)が2000でピークアウトしそうな感じになっています(まだ微妙ではありますが)ので、英国よりはるかに厳しいコロナ対策を講じているドイツにおいては、リスク管理上、この2000をワーストケースの目線として良いように思われます。

 

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仮にドイツでも7日間指数が2000(足元の約5倍)になると仮定すると、人口10万人当たり1週間で2000人ですので、1週間で2%の人員が新規感染するペースということになります。

社員総数が100人の会社であれば、1週間で2人くらいはオミクロンに感染して会社を7-10日間(今回短縮された隔離期間)は休むことになる、と想定しておくべきです。

20220105 ドイツコロナ状況アップデート(オミクロン対策リスク管理) - 日独経済日記 (hatenablog.com)