ドイツで最も多くの人々(約100万人)に読まれている日刊新聞であるビルト紙の本日(2022/1/11)の一面トップは「ECBの見込み違いで、インフレ大ショック。ドイツ人の損害は1350億EUR」というまたまた挑発的な見出しになっていました。
Euro-Hüterin gibt zu: Wir haben uns bei der Inflation verrechnet! - Wirtschaft - Bild.de
ドイツの現預金総額2.6兆EURに昨年1年間のインフレ上昇率をかけて購買力喪失分の総額135億EUR(ドイツ人一人当たり約1700EUR)という計算になっています。
同紙は既に昨秋、「ドイツ人一人当たりの購買力目減りが1400EURにも達しているが、ラガルドECB総裁にとっては、そんなの小銭。シャネルの7000EURもするブレザーを身に纏っている」などと皮肉満載で報じています。(一人当たりの金額はその後更にインフレ上昇がきつくなっているので、今日の記事より小さめに出ています)
BILD rechnet vor - Teuer-Schock kostet jeden Deutschen 1400 Euro - Leben und Sparen - Bild.de
こういったドイツ主要マスメディアによるECB批判は、昨年後半から非常に活発になっているのですが、折からの米ドル金利上昇と相まって、ドイツ国債10年物の利回りは昨年12月後半から急上昇を続けており、現時点で▲0.024%とまだ微妙にマイナスながらも、まもなくプラス領域に復活しそうな感じです。
【ご参考】日独新聞発行部数についてはこちらで紹介しています
20220102 ドイツ人が今年重要と考えている政策トップ3/ボトム3 - 日独経済日記 (hatenablog.com)