日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220112 ドイツ旅客宿泊件数推移

コロナがなかなか収まらないため、ドイツ宿泊関連業界にとって非常に厳しい状況が続いていますが、その具体的なしんどさ具合とその推移について垣間見せてくれる数字をご紹介します。


本日ドイツ連邦統計局から発表された11月旅客宿泊件数を見ますと、
Tourismus in Deutschland im November 2021: 24,6 Millionen Übernachtungen - Statistisches Bundesamt (destatis.de)

11月の宿泊総件数は24.6百万件、前年比+165%とかなり盛り返してはいるものの、コロナ前(2019年)比ではまだ▲24.2%となっています。

年初来累計では、今年は最初の3ヶ月の落ち込みが大きかったため、前年比▲0.9%と結局盛り返せていません。

①宿泊件数

 2019年(上の薄い緑の線)、2020年(濃い緑の線)、2021年(赤線)

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②新規感染者数

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③重症患者数

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Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)

 

上記①②③を見比べると以下のように整理できると思います:

  • 平時(コロナ前)には、ピークの夏には月60百万件、ボトムの冬には月30万件の宿泊が期待できていた
  • コロナ直後の2020年4月には客がほぼ消えたものの、2020年、2021年両年とも夏にはコロナがいったん下火になり、感染者も重症患者も激減するため、宿泊数はかなり戻せている
  • 2020年冬から2021年初までの間は、ワクチンがまだそれほど普及していない状況での新規感染急増だったため、重症患者が急増し、再び客がほぼ消えた
  • 2021年後半はワクチン普及とリベンジ需要のおかげで実にいい感じで戻してきていたが、オミクロンのせいで再び客足が遠のき始めている

 

なお、昨年11月の宿泊件数シェアは

  1. ホテル、ペンション等:65%
  2. 長期滞在用施設:16%
  3. キャンプ場:2%
  4. その他(車中泊用駐車スペースなど):17%

となっていますが、コロナが長期化する中で、他人との距離が保てる2と3のシェアがじりじりと増えているとのことです。

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ちなみに、2の典型的イメージはこんな感じです。2-3週間休暇を取って家族みんなでここでのんびりするという使い方です。

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