日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220301 ドイツコロナ状況アップデート

世間の目は目先ウクライナ危機に釘付けになっていますが、ドイツでオミクロンが想定通り本当に沈静化くれるかどうかについても実は非常に重要なので、ここで確認しておきましょう。

感染力がアップしたオミクロンの変異種による感染再加速(地続きの隣国デンマークで問題化)が一時懸念されていましたが、少なくとも今のところ、ドイツの再生産数は順調に低下を続けており、新規感染者数は相応に減少を続けています。

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州別の7日間指数(人口10万人当たりの直近7日間新規感染者数)を見ても、ハンブルクを筆頭に、概ね順調な現象が確認できます。

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オミクロンは(およびその変異種)は、比較的軽症(それでもインフルエンザよりはしんどい)で済むことが多いため、新規感染者数が激増する局面でも重症病床はひっ迫せず、医療キャパシティとしては十分な余裕を確保できています。

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死者数も昨冬とは異なり、十分抑制されています。
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最近の新規感染者数のメインは5~14歳の子供であり、重症化のリスクは極めて低いのですが、子供(学校や幼稚園)経由でその両親が感染するというパターンが非常に多くなっています。

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今週から遺伝子操作を伴わない従来型のワクチンであるNovavaxの接種がドイツでも開始されているのですが、ワクチン接種者総数(下図一番上の線)は殆ど増えておらず、ブースター(濃い青色部分)も既に頭打ちになっています。

ドイツ政府は来冬の再流行シーズンに向けて、ワクチン接種の義務化を連邦議会で引き続き議論していく方針ですが、実現の見通しは立っていません。

 

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現行の感染予防法が期限切れとなる3月20日に向けて、ドイツでは段階的な規制緩和(レストランやホテルでワクチン接種済者と快癒者以外に検査陰性者を受け入れるなど)を進めており、つい最近までコロナ規制が世界で一番厳しかったドイツが、今では注意程度にランクされるようになってきています。


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COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk)

 

但し、その分街中(オフィス外)での感染リスクはかえって高まっているということを意味していますので、オフィスでの感染拡大リスクを抑えたいなら、引き続き保守的な運営に徹した方が無難と思います。