日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220318 ウクライナ危機はドイツのGDPを1%強押し下げ、インフレを2%程度押し上げ

いくつかのドイツ有力機関からウクライナ危機反映後の ドイツGDP/インフレ予測が出てきたので まとめてみました。

ウクライナ危機前の予想と比べてみると、GDPは1%強切り下がり、インフレは2%押し上げられるイメージとなっています。

 

ちょうどOECDからウクライナ危機の経済に対するインパクト分析が出ていまして、ユーロ圏に対しても同様の結果になっています。

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OECD Economic Outlook

 

このような環境下、米FEDや英BOEは整斉と(比較的簡単に)利上げを進めて行けそうな雰囲気を醸し出していますが、ECBは以下3点のせいで非常に難しい舵取り(市場とのコミュニケーションを含む)を強いられているように思われます。


1)ゼロではなくマイナス金利(▲0.5%)が出発点 
  ⇒正常化までの道のりが長い

2)脆弱な南欧諸国の債務負担に配慮する必要がある 
  ⇒金利正常化のショックが予想以上に大きい可能性がある

3)ユーロ圏はもともと経済の足腰が米英ほど強くない上、
 「近くの戦争」であるウクライナ危機の影響を慎重に勘案する必要がある

 

なお、マーケットは引き続き今年11月頃のEUR短期金利プラ転を織り込んでいます。

https://www.theice.com/products/38527986/Three-Month-Euribor-Futures/data?marketId=6498878