ドイツ5大研の一角であるキール研(IfW)から、ドイツ経済の中長期展望レポート(2026年までの予測)が出ていましたのでそのエッセンスをご紹介します。
2022年 2023年 2024年 2025年 2026年
実質GDP 2.1 3.5 0.9 1.0 1.0 ~低下トレンド
名目GDP 5.0 6.9 3.2 2.8 2.9 ~名目は高成長
消費者物価 5.8 3.4 2.4 2.0 2.0 ~長期高止まり
外需寄与度 ▲0.5 0.3 0.1 ▲0.2 ▲0.3 ~激減
海外各国との対比で実質GDPを比べると
2022年 2023年 2024年 2025年 2026年
ドイツ 2.1 3.5 0.9 1.0 1.0
ユーロ圏 2.8 3.1 1.4 1.3 1.2
米国 3.1 2.2 1.9 1.8 1.7
中国 4.8 5.2 5.0 4.7 4.6
日本 1.0 1.8 1.2 1.1 1.0
ロシア ▲4.5 ▲2.6 2.0 1.5 1.5
と先進国全体が1%台に収斂(日本化?)してくるという予測になっています。
もともとドイツの潜在成長率はコロナ前までは1.5%程度と思われていましたが、コロナで1%前後まで低下し、ウクライナ危機による資源・エネルギー高でさらに0.8%まで低下する(2026年)とここでは予測されています。
資本投入(黄色)と全要素生産性/TFP(縞模様)は0.5%程度で安定しているのですが、労働投入(青色)が2023年からマイナスになって全体を押し下げています。これはまさに日本と同様の構図です。
Neue Risiken für das Potenzialwachstum | Kiel Institut (ifw-kiel.de)
ちなみに日本の潜在成長率は、日銀の直近推計によると足元かろうじてプラスかどうかというところになっています。コロナと資源・エネルギー高でさらに低下することを覚悟しておく必要があります。