日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220417 コロナと戦争(によるインフレ)で豊かさをあきらめざるをえない局面

ドイツの過去に例のないインフレ(とそれに対するECBの無策)は連日ドイツの主要メディアの報道テーマとなっています。

 

ドイツのインフレがこのように過去に例がないほど跳ね上がっているため、

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30年前の100ユーロはいまや60ユーロの価値しかなくなっています(購買力が4割低下)。

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Inflationsrechner - Kaufkraftverlust berechnen (finanz-tools.de)

 

最近多くの大物政治家たちから、「コロナに続くウクライナ戦争のため、ドイツがこれまで築き上げてきた豊かさの一部はもう諦めざるを得ない」という警告が繰り返されています。ロシア産の天然ガスが止まれば状況はさらに深刻になるので、その地均しという側面もあります。

 

ちなみに、下図のようなド-ナ-ケバブは、なかなヘルシーかつ安価なファストフードということでドイツでも人気が高いのですが、つい最近までせいぜい4ユーロだったものが6ユーロにまで値上がりしています。熱烈なケバプファンでも、これでは購入をさすがにちょっとは手控えると思います。

一方、元通りに作るとコストはゆうに7ユーロを超えてしまう模様で、多くのケバプ販売業者が存亡の危機に追い込まれているようです。f:id:dateno:20220417162545p:plain

 

また、ウクライナとロシアで世界の生産量の半分強をしめるひまわり油がずっと品切れになっていますが、フライドポテトや焼きソーセージのあの微妙な味わいが出せなくて、関連業者は大変困っているようです。ひまわり油に一番近い菜種油も買い占めで品薄になっており、いずれにしてもコスト上昇は免れられないようです。

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