ドイツのコロナ状況は欧州諸国比で改善が遅れており、ドイツ宿泊関連業界にとって非常に厳しい状況が続いていますが、その具体的なしんどさ具合とその推移について垣間見せてくれる数字をご紹介します。
本日ドイツ連邦統計局から発表された3月旅客宿泊件数を見ますと、
3月の宿泊総件数は25.1百万件(国内旅客21.8、海外旅客3.3百万件)、前年比+175.7%とかなり盛り返してはいるものの、コロナ前(2019年)比ではまだ▲23.7%(国内旅客▲19.2%、海外旅客▲44.2%)にとどまっています。
①宿泊件数
2019年(青線)、2020年(橙線)、2021年(黒線)、2022年(赤線)
②新規感染者数
【ドイツ】
【欧州全体】
③死者数(ドイツ)
Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de)
上記①②③を見比べると以下のように整理できると思います:
- 平時(コロナ前)には、ピークの夏には月60百万件、ボトムの冬でも月30万件の宿泊が期待できていた
- コロナ直後の2020年4月には客がほぼ消えたものの、2020年、2021年両年とも夏にはコロナがいったん下火になり、感染者も重症患者も激減するため、宿泊数はかなり戻せている
- 2020年冬から2021年初までの間は、ワクチンがまだそれほど普及していない状況での新規感染急増だったため、死者(および重症患者)が急増し、再び客がほぼ消えた
- 2021年後半はワクチン普及とリベンジ需要のおかげでかなりいい感じで戻してきていたが、オミクロンのせいで再び客足が遠のいた
- 足元はコロナ終息/規制緩和を受けて、過去2年以上の回復を見せてはいるが、それでも2019年比▲24%の水準にとどまっている
なお、3月の宿泊件数シェアは
- ホテル、ペンション等:64%
- 長期滞在用施設:18%
- キャンプ場:3%
- その他(車中泊用駐車スペースなど):16%
となっていますが、コロナが長期化する中で、他人との距離が保てる2と3のシェアがじりじりと増えているようです。
ちなみに、2の典型的イメージはこんな感じです。2-3週間休暇を取って家族みんなでここでのんびりするという使い方です。