スイス・バーゼル大発祥の調査会社プログノス(Prognos)から「その後の世界」と題された興味深いレポートが出ています。
ウクライナ危機後の世界においては、経済圏のブロック化(分断)が進む可能性が高まっていますが、ドイツ経済が現時点でどのブロックにどれくらいの依存度をもっているかを整理してくれています。
そのエッセンスを以下ご紹介します。
ドイツは輸出大国としてこれまでグローバル化の中で大きな利益を得てきたが、今後は以下のようなブロック化が進むことになる(ロシアは今後より中国経済への依存度が高くなるということで中国圏に分類されている。アフリカも中国圏にカウント)。それぞれのブロックに対するドイツ経済の依存度を色分けして整理しておく。
青系:欧州圏、灰系:米州圏、緑系:中国圏、黄緑系:その他(日、印、ASEAN等)
Was für Deutschlands Wirtschaft auf dem Spiel steht, wenn die Welt in Blöcke zerfällt (prognos.com)
●ドイツ経済の分野別ブロック依存度
上から順に、
輸出先、輸入元、付加価値、雇用:ここまでは中国圏の依存が2割前後
対外直投先、対内直投元:欧米圏が大半。但し中国への直投はやや大き目
特許元:欧米圏との協力が大半
エネルギー資源供給元:ロシアが25%など、中国圏が過半を占める
重要資源供給元(レアアースなど)、その他資源供給元
●ドイツの天然ガス供給元(2020年):
ロシアが55%と過半を占める
(ただし現在は35%まで圧縮、急に全部止められても今年の冬はギリギリ
凌げるレベルにはなっている)
残りはノルウェー31%、オランダ13%、その他2%
●ドイツ産業セクター別ブロック依存度(輸出+輸入)
上から順に、自動車、機械、電気/光学、化学、医薬
前3者における中国(圏)の依存度(特に中国への車輸出)が高い
医薬は米国での販売が大きい