日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220518 ドイツ製造業の受注残はどんどん積み上がっています

 今朝ドイツ連邦統計局から3月製造業受注残高統計が出ていましたのでご紹介します。

 

受注残高(実質ベース) 前月比+0.6%、前年同月比+2.7%

売上の8.0か月分(前月比+0.1)と過去最高値に到達

 資本財 11.8か月分(前月比+0.4)~3月の伸びを主導

 中間財 4.0か月分(前月比unch)

 消費財 3.5か月分(前月比unch)

国内受注残(黒)はコロナ後の減少がきつめでしたが、最近は受注残積み上がりの主役となっています。(赤:全体、緑:海外)


Auftragsbestand im Verarbeitenden Gewerbe im März 2022: +0,6 % zum Vormonat - Statistisches Bundesamt (destatis.de)

 

ドイツ製造業の受注はコロナ後(対米、対中輸出好調で)比較的素早く回復したのに対し。。。。

 

鉱工業生産は 部品不足(サプライチェーン障害)、人出不足、原材料費高騰などの逆風が長期化しているため、受注と比べて戻りが鈍い、ということが受注残積み上がりの原因となっています。

上記受注残の積み上がり、コロナ後のリベンジ消費、堅調な労働市場EU基金の出動、といった追い風の組み合わせは、まもなく始まるECBの金利正常化(利上げ)に対する十分な抵抗力を提供すると思います。

 

なお、ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に公表している週次経済活動指数(WAI:ドイツGDPのリアルタイムモニタリング指標となることを目指しているもの)もじわじわプラス圏に回復しつつあります。

但し、現時点ではまだ▲0.1%ですので、GDP換算(足元13週間VSその前の13週間の対比ベース)でも+0.1%と弱弱しさが残っている状態です。

 

Wöchentlicher Aktivitätsindex für die deutsche Wirtschaft | Deutsche Bundesbank