日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220531 ドイツでは明日から3ケ月ガソリン減税

EUでロシア産原油の禁輸が始まることもあり、原油価格(下図はWTI)は再び騰勢を強めています。

Crude oil - 2022 Data - 1983-2021 Historical - 2023 Forecast - Price - Quote - Chart (tradingeconomics.com)

 

ドイツにおけるスーパーガソリン(上)/ディーゼル(下)小売価格(水色)を見ると、下図の通り、両方とも欧州諸国比かなり高い部類に属しています(平均:緑色)。

Aktuelle Spritpreise in Europa - günstiger mit clever-tanken.de

 

このような状況を受け、ドイツでは6~8月の3か月間(期間限定で)、スーパーガソリンで▲35.2セント/リットル、ディーゼルで▲16.7セント/リットルのガソリン減税が断行されます。

この分が丸々価格転嫁されれば(引き下げになれば)、1割強の値下げとなり、小売価格は欧州平均並みになります。

ドイツではこれまで、ガソリン/ディーゼル価格をできるだけ高く設定することにより、内燃機関車の利用を抑制し、CO2削減に結びつけようとしてきましたが、あまりにも急激な負担増に伴う国民の不満に対応せざるを得なくなった格好です。

この減税をあてにして最近給油を手控えていた人たちがかなりいるはずなので、減税が開始される明日(6月1日)、ガソリンスタンドに深夜・早朝から大行列ができるのではないか、と懸念されています。ガソリンスタンド側としても、減税前に仕入れる分はコストが高いので仕入れを手控えており、この大行列に対応するために十分な量が確保できていない恐れがあるだけでなく、上記の値幅分すぐにまるまる引き下げるわけにいかないという事情があります。

いずれにしてもかなりの混乱が予想されますので、明日すぐにガソリンスタンドに駆けつけるのはやめておいた方が良いと思います。

Spritsteuer sinkt: Was morgen an der Tankstelle passiert (msn.com)