スクープで有名なドイツの有力週刊誌シュピーゲルの直近号の表紙が、「住宅金利ショック(金利が1⇒3%と3倍になっている!)」というセンセーショナルなものだったので、本当にそうかなのか住宅ローン金利比較サイトで確認してみました。
ドイツ連銀のデータによると、ドイツの住宅ローンでは当初10年以上を固定金利にするものが約半分(青)、5年以上が35%(緑)と大半を占めています。
Indikatorensystem zum Wohnimmobilienmarkt | Deutsche Bundesbank
そこで5,10,15,20年で適用される固定金利の推移を調べてみたのですが、シュピーゲルの表紙通り、確かにいずれもコロナ中1%くらいだったものが、最近になって3%前後にまで急上昇していることが確認できました。
Persönlicher Zins-Check (interhyp.de)
実際にドイツの長期金利(下図は10年国債利回り)は今年に入ってからこのように急騰(マイナスを脱して正常化)しているので、住宅ローン金利の上昇もまあ当然のことではあります。
Germany Government Bond 10Y - 2022 Data - 1980-2021 Historical - 2023 Forecast - Quote (tradingeconomics.com)
また、2013年くらいまでは3%超が当たり前で、この金利自体に文句を言っても仕方ありません。
ちなみにドイツの住宅価格(左上)は最近米国やカナダ並みに年10%強の上昇を続けています。コロナ明けでそろそろマイホームでも買おうかと思って動き出した人々にとっては、価格上昇とローン金利急騰のダブルパンチで夢を打ち砕かれかねない状況になっています。
Global inflation tracker: see how your country compares on rising prices | Financial Times (ft.com)
経済新聞ハンデルスブラット紙の週末増刊号の表紙も「住宅購入の悪夢」となっています。