日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220704 夏休みシーズン開始でドイツの長距離電車の遅れがひどくなっています

ドイツ各地で順次夏休みシーズンが始まり、リベンジ旅行のため飛行機と電車が大混雑しているという報道が最近目立っています。

 

遠距離電車(写真はドイツの新幹線:ICE)では5月時点で27%が6分以上の遅延(赤線)と、既にかなり悪化していましたが、足元はドタキャンを含めてもっとひどい状況のようです。


https://www.deutschebahn.com/de/konzern/konzernprofil/zahlen_fakten/puenktlichkeitswerte-6878476

 

日本ではまずこんなことは起こりませんので、日本をよく知るドイツ人が電車の日独比較で自説を展開するには格好のタイミングです。

 

実際にドイツ経済新聞ハンデルスブラット紙の東京特派員ケリング氏が、先週以下のような記事を出して(Most Read の上位にランキングされて)いました。

 

「日本ではドイツのように空港が大混雑したり電車が簡単に遅れたりすることがない これはなぜか」

⇒ドイツでは常に資本(の利回り)が出発点となり、それを下げる対応は後回しにされるが、日本では常に顧客(の満足)が出発点となるので、ドイツ企業と対応の優先順位が異なる

 

日本の電車は±15秒でその運行の正確さを計測するが、

ドイツでは±6または16分(しかもその中に収まる確率は恐ろしく低い)

 

日本の新幹線はコスト高を承知で専用レーンを採用しているが、

ドイツの新幹線は在来線と同じレーンを走り、トラブルが全て共有される

 

日本では線路(道路も)の修復工事は必ず夜間(運行への影響が少ない時間)に実施されるが、

ドイツでは平日の昼に平気で実施される

 

日本の電車は高度に標準化され、相互に融通が利く(座席も進行方向にあわせて簡単に回せる)が、

ドイツの電車はそのようなことまで意識して作られていない

 

(「時間通りさ」とは無関係ながら)

 日本の車内清掃は恐ろしく手際が良い

 日本の新幹線は恐ろしく滑らかに走る(そのうち超電導リニアもできる)