日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220714 ドイツ一般市民のインフレ期待

ドイツ連銀が2019年から毎月実施しているドイツの消費者に対するアンケート結果(6月分、英語でも出ていた!)のエッセンスを紹介します。

Inflation expectations | Deutsche Bundesbank

 

●ここ4ヶ月は、今後1年間インフレはかなり上昇する(赤)、と感じている人が過半数を超えています。

●そのレベル感を聞くと、足元とほぼ同じ水準の7%超という答えが平均値として返ってきてしまっています。

 

(ご参考)足元のCPI推移~ドイツは水色、かなり悪い方


●より長期の5年間では?と聞かれると5%超。

 

●10年だと4%超となっています。一番最初のグラフで「今後1年間インフレはかなり上昇する」との回答が急増した今年3月頃から、長期のインフレ期待が顕著に悪化したということです。
ECBは今後の利上げにより、最低でもまずここを昨年程度のレベルにまで押し下げる必要があるでしょう。

 

●見通しの自信度はいつもと同じくらいであり、決して低くはないようです。

 

ちなみにグローバルインフレ状況はこちらのFTサイトで見張ることをお勧めしているのですが、

Global inflation tracker: see how your country compares on rising prices | Financial Times (ft.com)

マーケットのインフレ期待指標のひとつである5年物インフレスワップのチャートを確認すると、ドイツ(水色)は昨秋以降ずっと2%を超過しており、足元小反落したとはいえ、まだ3%を超えています。
ECBはこれが2%を切るまで利上げを続けざるを得ないということになると思います。