先週末ドイツ連銀月報が発表された(ドイツ語のみ、英語はしばらく後)ので。。。。
https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-juli-2022-894660
今ホットイシューとなっているイタリア国債に関係のある部分(特別論文)だけ先にこちらでご紹介しましたが。。。。
毎回巻頭に掲載される、経済概況(Kurzberichte)にも「なるほど、そうだったのか」という気づきを与えてくれる分析コメントが結構見つかることが多いので、今回分について軽くご紹介しておきます。
なお、このドイツ連銀月報の詳しい内容が日本語や英語で紹介されることは殆どなく、今回は日本語記事は皆無となっています(7/24時点)。
- 全体感:
年前半、成長率はほぼ横ばい。今後もガス逼迫で、6月予測比弱目に推移しそう。 - 消費:
コロナ明けリベンジ消費で5月頃まで力強かったが、インフレとガス不足懸念で足元急速に鈍化。 - 製造業:
車の部品不足は最悪だった3月頃からは幾分改善。ガス不足でガラス、セラミック、製薬などが足元低調。受注は海外、生産財、中間財中心に軟化。但し価格上昇で名目売上は大きく増加。 - 建設業:
暖冬による好調の反動、人出不足、資材不足で足元軟化。受注軟化も受注残は高水準。 - 雇用:
就業者増加ペースは今後やや鈍化する見込み。但し、6月の失業増はウクライナ難民カウント開始によるもの。サービス業では人出不足継続。 - 物価:
足元の天然ガス価格急騰が最大の懸念。川上からの消費者物価上昇圧力も非常に高い。9ユーロ切符のインフレ押し下げ効果は9月以降剥落する。インフレリスクは明確にアップサイド。 - 財政:
インフレ(高い名目成長)のおかげで営業税(法人地方税)税収急増、財政収支大幅改善。