ヒートポンプというのは、こちらに説明されている通り、エアコンや冷蔵庫で使われている省エネ技術のことです。
https://www.hptcj.or.jp/study/tabid/102/Default.aspx
ヒートポンプはドイツでもカーボンニュートラル実現に向けた重要技術としてもともと注目されており、ロシア危機前/2021年の暖房設備「新設分」シェアトップの4割強を占めていました(下図赤)。
2位はガス(バイオガスを含む、紫)で、灯油や石炭よりCO2排出が少ないのが売り、
3位は地域熱供給(Fernwärme)で、発電所や工場などの廃熱を周辺地区の暖房に有効活用するしくみのことです。
ちなみに、ドイツも最近かなり夏は暑くなってきましたが、今でも冷房はほとんど使われていません。
ドイツにおける家庭用暖房(既設分)全体におけるシェア(2020年)は、
① ガス50%(下図紫)、②灯油25%(濃茶)、③地域熱供給14%(茶)となっており
ロシアからのガス供給停止リスクが高まる中で、高すぎるガス依存度が大問題となっています。
そこで今冬のガス不足を乗り切るための切り札のひとつとしてヒートポンプ(への切り替え)がこれまで以上に注目を集めるという展開になっています。
ヒートポンプのシェアはまだ3%程度(上図赤)と低いので、市場ポテンシャルは絶大です。
しかし、設置の際に必要な技術者の人手不足やそもそもの在庫/部品不足のため、工事はなかなか進んでいない(注文しても数ヶ月待ちになっている)というのが実態のようです。