日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220904 ドイツの脱中国戦略

China wird zum unkalkulierbaren Risiko für Deutschland (wiwo.de)

 

  • ifo研の調査によると、ドイツ企業の約半数(46%)が、原材料・中間財などの調達で中国に依存している。
  • 技術を盗まれるとか、地政学・人権の問題は、中国巨大成長市場の魅力の前に長らく軽視されてきた。
  • しかし時間の経過とともに、ドイツ企業にとっての中国経済重視のリスクがメリットをどんどん上回りつつある。
  • 不動産バブル崩壊、人口減少、コロナ対応などに苦しむ中国はもはや魅力的な成長市場でない。法の支配はワークせず、突然何をしでかすかも読めない。
  • 人権や法の支配を尊重せず、ロシアを支持し、台湾に襲い掛かろうとする中国への依存度はさすがにそろそろ引き下げる必要あり(一刻も早くベトナムやインドにシフトすべき)。
  • メルケル時代のような盲目的中国重商主義は直ちに是正が必要。
  • ドイツの政治家の間でもそのような認識が広まっており、だからこそ中・EU投資協定は凍結されている。
  • ドイツ政府は現在対中政策の見直しを鋭意進めているが、着手は遅過ぎるくらい(遅くとも来年初のミュンヘン安保会議までには具体化しておきたい)。
  • 米国企業は中国からの脱出をどんどん進めている。
  • 中国で勤務する多くの外国人労働者は(特に異常なゼロコロナ政策にうんざりしており)早く中国から脱出したいと願っている。
  • 中小企業は既にある程度脱出を進めており、それを成し遂げた後にほっとしている。しかし、中国依存が非常に大きい大企業はなかなか踏ん切りがつかない。

 

個人的には、日本はこういった危機感に乏しく、非常に危険な状態に陥りつつあるのではないかと危惧しています。