ガス不足/リセッション懸念の高まり、いっこうにピークアウトしないインフレなどを背景に、ドイツ政府の経済政策に対する不満(下図では赤系統の線の合計)が高まっています。
これに伴い、経済の舵取りを任されているハーベック経済相(Green)の個人的人気/評価が最近急速に低下していることは、先日こちらにもご紹介しました。
20220909 ドイツ政治家人気ランキング - 日独経済日記
その後ドイツの主要メディアでいろいろ分析されているコメントをまとめてみたところ、以下のような感じになりました。
- ハーベック経済相は経済分野でのバックグラウンドや経験が乏しい。
- 現在の難局(インフレ/スタグフレーション/ガス不足)は、誰がやってもうまくいかないほど対応が困難なもの。
- ハーベック経済相に対する期待がそもそも高すぎたことも災いしている。
- 特に現在議論中のガスのコスト負担問題では、必ずどこからかは不満が噴出する。
- ハーベック氏の出身母体であるGreenの党是と国民が求める政策との乖離が広がっている(例:脱原発延期はドイツ国民の7割が支持しており、ifo研も「電力価格を4%は押し下げられる」と分析している一方、脱原発が党設立の原点でもあるGreenとしては簡単に容認できない)。
- ハーベック氏は物事の白黒をはっきりとつけるタイプであるがゆえに、メルケルのような巧みなあいまいさ(逃げるべき時は逃げるテクニック)を操ることができていない。