日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220926 OECDが必要と考えるECB利上げ着地は4%

先ほどリリースされたOECD経済予測アップデートのP17に

www.oecd-ilibrary.org

さらっと書いてあって目を疑ったのですが、ECBのメインの政策金利(REFI)は来年4%に上がるとあります。イタリアなどの周縁国債を(激しく)買い支える分、高い金利が必要になるということのようです。

>The main refinancing rate is projected to rise to 4% in 2023, with use being made of all margins of flexibility when reinvesting the proceeds of maturing bonds on the ECB balance sheet to limit financial fragmentation in the euro area.

 

ちなみにBloombergがないと、ECBやBOEの利上げ軌道の正確な市場織込み読み取りにくいのですが、こちらのEURIBOR(黒線)やSONIA(緑線)のフォワード金利を見る限りで、ECBは3%強BOEは5%半ばでの着地という織込みになっています。

上図OECDのECB利上げ軌道の見立て(緑線)はかなりアグレッシブなものと言えます。

https://www.chathamfinancial.com/technology/european-forward-curves

 

なお、各国の経済予測(大半は6月比大幅下方修正)については以下のようになっています。

ドイツは来年▲0.7%のマイナス成長(上表)、インフレは7.5%と凄まじい高止まり(下表)という予想です。

一方で日本は来年、+1.4%成長と+2.0%インフレというほぼ理想的なバランスとなっています。

 

ドイツがマイナス成長とは言っても、実質成長率がインフレに食われていることによるものであり、名目成長はほとんど凹むことなくかなりの高水準を維持しています。

人手不足は深刻であり、雇用もそう簡単には弛まないと思います。

デフレ的に名目売上と雇用(賃金)がジリジリ減っていくような日本的不景気とは全くイメージが異なりますのでくれぐれも誤解しないようにしましょう。