日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221007 新ワニの口

 日本の歳入/歳出ギャップを「ワニの口」と表現することがよくありますが、最近ドイツでもそれにそっくりなものを見つけました(ドイツで実際にそのように表現されているわけではなく、あくまで私見です)。

 

8月ドイツ小売売上高統計が今朝発表されたのですが、名目ベース(ピンク線)では前月比+0.1%、前年比+5.4%と上昇トレンドが続いているのに対し、インフレ差し引き後の実質ベース(赤線)では前月比▲1.3%、前年比▲4.3%とマイナスが拡大しています。

このグラフは今の日本の財政状況をグラフ化したもの(下添<ご参考>)よりよほど実際のワニの形にそっくりだと思います。


https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2022/10/PD22_425_45212.html

 

市場が注目している前月比実質ベースが予想の▲1.1%より弱かったことに加えて、前月分が+1.9%から+0.7%へと大きく下方修正されており、ドイツ経済にとってかなりネガティブな内容となっています。

消費者から見ると、支出を増やしているにもかかわらず、手に入るものがかなり目減りしてしまっている状況です。

tradingeconomics.com

 

ガソリン減税終了前の駆け込み需要で好調だったガソリンスタンド売上(前月比実質+13.1%)を除くと、実質小売売上は前月比▲2.0%まで凹みます。

 

<ご参考> 日本の元祖ワニの口

https://www.mof.go.jp/zaisei/current-situation/situation-dependent.html