日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221009 ドイツエネルギー事情を監視するならこちら

当ブログで何度も紹介しているこちらの「ZEITエネルギーモニタリングサイト」が劇的に進化していますのでご紹介します。

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dateno.hatenablog.com

 

サイトの内容は全てドイツ語表示ですが、WEB翻訳で(誤解のリスクはほぼなく)十分理解できます。現時点でのポイントは以下の通りです。

 

<私なりの総括>

  • ロシアからのガス供給は完全に止まったままだが、必死の節約とLNG調達でガス備蓄はほぼ完了(需要2ヶ月分を充足)。よほどの厳冬でなければ、今年の越冬は何とかなりそう。
  • 但し、ガス代は昨年比4倍、電気代は2倍、ガソリン代は高止まりで国民の不満は爆発寸前。現在策定中(来週詳細発表予定ながら、揉めていて発表が遅れている)の負担軽減具体策が足元最大の注目点。
  • 中長期的再エネ拡充は、計画比やや遅れ気味ながらも、危機感をドライバーとして概ね順調に進捗中。

<データ(グラフ内の一部もWEB翻訳が効きます)>

 

●ドイツのどこがどんなエネルギーをどれくらい使っているかのマトリックス。左から順に、家庭、産業、店舗/オフィス、交通と読み替えてください。

今後産業のガス需要(年250TWh)にどれだけダメージが出るかがポイントです。

 

●エネルギー価格全体感

ウクライナ危機勃発直前=100として、ガス(紫)229、灯油(茶)170、電気(緑)150、スーパーガソリン(赤)107となっており、いずれも昨年比大幅上昇となっています。特にガス代や電気代の川下価格転嫁は(タイムラグを伴って)これから本格化します。

●今年と昨年の価格対比(品目別)

①ガス

 

②電気

③ガソリン〜3ヶ月のガソリン減税(網掛け)終了後高止まり

 

④灯油

 

●ロシアからのガス供給は引き続き完全に止まったままですが.......

 

ノルウェー、ベルギー、オランダからの調達、その他LNGの配送開始で穴埋めしつつ....

 

●産業界を中心に必死になって節約(含む生産停止)を続けているため......

 

●ガス備蓄は、11月1日までに95%という政府目標に対し、10月9日時点で93.6%と、ほぼ達成した格好になっています。

 

●再エネ強化状況

ドイツの再エネ(風力と太陽光が主力)は既に電力の半分強をカバーし、概ね政府計画に沿って拡充が進んでいます。