今朝のドイツ連邦統計局発表によると、8月製造業受注残(実質/インフレ勘案後)は
前月比+0.3%、前年同月比+11.1%(赤:総合、黒:国内、青:海外)
月商の8.0ヶ月分(投資財11.1、中間財3.9、消費財3.6ヶ月分)
と過去最高水準が維持されていました。
https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2022/10/PD22_448_421.html
ドイツ経済に対しては凄まじく悲観的な見方が一般的ですが、
- 実質成長を押し下げているのはインフレ(デフレータ)であり、
名目成長は約プラス5%と非常に高水準であること。 - 人手不足(と操短制度)のため失業増はほとんど起こりそうにないこと。
しかも、今後賃金は4%程度は上昇が続く見込みであること。 - (上述の通り)製造業受注残が過去最高水準に積み上がっており、輸出支援となるユーロ安と併せて今後の受注減のクッションになること。
には注意が必要(過度の悲観は禁物)と思います。
なお、この製造業受注の奇妙な積み上がりの主因は、機械、IT、自動車、電機を中心とする原材料・部品不足(青棒〜最近少し緩和もまだまだ解消できていない)です。
受注(青)も生産(赤)も共に冴えない状況が続いていますが、生産の方が受注を下回っているので、受注残がどんどん積み上がっているという事情です。