日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221019 ドイツ製造業受注残、月商8ヶ月分と高水準維持

 今朝のドイツ連邦統計局発表によると、8月製造業受注残(実質/インフレ勘案後)は

  前月比+0.3%、前年同月比+11.1%(赤:総合、黒:国内、青:海外)

  月商の8.0ヶ月分(投資財11.1、中間財3.9、消費財3.6ヶ月分)

と過去最高水準が維持されていました。


https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2022/10/PD22_448_421.html

 

ドイツ経済に対しては凄まじく悲観的な見方が一般的ですが、

  • 実質成長を押し下げているのはインフレ(デフレータ)であり、
    名目成長は約プラス5%と非常に高水準であること。
  • 人手不足(と操短制度)のため失業増はほとんど起こりそうにないこと。
    しかも、今後賃金は4%程度は上昇が続く見込みであること。
  • (上述の通り)製造業受注残が過去最高水準に積み上がっており、輸出支援となるユーロ安と併せて今後の受注減のクッションになること。

には注意が必要(過度の悲観は禁物)と思います。

 

なお、この製造業受注の奇妙な積み上がりの主因は、機械、IT、自動車、電機を中心とする原材料・部品不足(青棒〜最近少し緩和もまだまだ解消できていない)です。

 

受注(青)も生産(赤)も共に冴えない状況が続いていますが、生産の方が受注を下回っているので、受注残がどんどん積み上がっているという事情です。

https://www.destatis.de/DE/Themen/Branchen-Unternehmen/Industrie-Verarbeitendes-Gewerbe/materialknappheit-industrieaktivitaet.html