日独経済日記

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20221025 DAX時価総額最大銘柄LindeがDAX40からの足抜けを計画

DAX40の銘柄の時価総額ランキングトップはリンデ社(産業用ガス、ドイツ発祥ながらロンドンに持株会社を置き、NYとFRAで上場)。足元の時価総額は1448億ユーロ(約21兆円相当)で、時価ウェートは10%を超えています(10.75%)。

https://www.ariva.de/dax-index/marktkapitalisierung

 

このリンデ社がDAX 40からの足抜け(フランクフルト証券取引所での上場取りやめ)を計画しているというニュースが昨夜から大きく取り上げられています。

DAX40の各銘柄にはウェート10%の上限があり、インデックスの定期見直しの際に、抵触した銘柄のウェイトは引き下げられます。リンデはDAX内のアウトパフォーマーなのでこの上限抵触の常連となっています。その結果、DAX40をベンチマークとするインデックスファンドは、定期見直しの度にリンデ株を売らなければならなくなっています。リンデ社しては、DAX銘柄でいるせいで株価が不当に抑え込まれていると感じています。

NY上場のS&P500の構成銘柄としてはそのような不都合が全くないので、今回、登記上の本社があるアイルランドに新たな持株会社を設立し、その株をNY上場に一本化しよう(NY株とFRA株は1対1で交換する)という計画になっています。

www.tagesschau.de

 

このニュースを受けて、リンデの株価は軟調に推移しています。DAX40インデックスに連動させているファンドはDAXから足抜けする同社株を売却しなければならなくなるためです。

定期見直しでのウェート削減による売りより、そもそもDAXでなくなることによる売りの方が(少なくとも短期的には)大きいと思いますので、よほどフランクフルト上場が気に入らない(メリットを感じない)というのが本音なのではないかと思います。

優良企業に嫌われたという意味で、フランクフルト証券取引所/ドイツ金融市場にとって大きな痛手になることは間違いありません。

us.kabutan.jp

 

<リンデ日本語WIKI

ja.wikipedia.org