日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221028 ドイツ3Qマイナス成長回避 恐らくリベンジ消費のおかげ

大方の予想に反して、ドイツ第3四半期(7〜9月)実質GDP

前期比 +0.3%  前年同期比 +1.2%

とかなりしっかりしていました。

11月25日にリリースされる確報で多少の修正があるかもしれませんが、あってもせいぜい±0.1%ですので、「よく見たらやっぱりマイナスでした、すいません」などというドッキリはありえないと思います。

 

 

速報段階では内訳は示されないので、現時点で正確な要因分析はできませんが、唯一思い当たる押し上げ要因は、コロナ後のリベンジ消費、なので、それが意外と強かったのではないかと推察します(11月25日確報で確認します)。
下図では貯蓄率の急低下が確認できますが、これはリベンジ消費によるものと考えられます。

 

なお、あくまで仮説ですが、ifo景況指数のヘッドライン(赤線)が示している大幅な悪化ではなく、現況指数(黒線)の少し前の走り(夏場の盛り返し部分)の方がGDPの走りを上手く捉えているようにも見えます。

青線は6ヶ月も先の見込みであるため、気分に大きく左右されてしまいがちで、実際の着地とブレることがあります。ウクライナ危機勃発時の青線の急落が示唆していたほどにはその後黒線が低下していないのがその例です。

しかし、その仮説が仮に正しいとしても、黒線はジリジリと着実に切り下がっていますし、上図に示されている通り貯蓄率はほぼ正常化してしまったので、流石に第4四半期は相応のマイナスになると覚悟しておいた方が良さそうです(来年1月末頃発表)。

 

ちなみにGDPはコロナ前の水準をしっかり回復しています。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2022/10/PD22_457_811.html

 

マイナスの規模感については、引き続きこれらをウォッチするのが良いと思います。

①ドイツ連銀のWAI(毎週月曜日)〜週次モメンタムは▲0.2%と僅かにマイナス

https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex

 

②ドイツ経済省のNOWCAST(毎月下旬)〜Q4は前期比▲0.7%との予想。

BMWK - BIP-Nowcast für das 3. und 4. Quartal 2022