日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221122 ドイツ製造業は生産をあまり落とさずガス節約

 

ドイツの製造業と発電所が下図のように凄まじくガスを節約している(紫線:今年のガス消費量<<灰色:例年のガス消費量、横軸:1~12月)ので、さぞかし生産活動も抑え込まれているのではないかと心配していたのですが.....

Energiemonitor: Die wichtigsten Daten zur Energieversorgung – täglich aktualisiert | ZEIT ONLINE

 

先ほど発表されたifo研の調査によると、ドイツ製造業の多くは、生産量を大幅に削減することなく、天然ガスの節約に成功している模様です。

ドイツのGDPが最悪のビジネスセンチメントに比べて意外と底堅いことの一因になっているものと思われます。

本調査対象の製造業企業の59%が生産プロセスに天然ガスを使用しており、
そのうち直近6ヶ月の間、ガス節約で生産を落としたのはわずか14%(青)、
75%は生産を制限することなくガスを節約したと回答しています(薄青)。
(残り10%は節約できず/不明)

産業別に見ますと、

生産削減を強いられているのは、印刷の40%、金属生産・加工の35%、繊維の25%で、
化学では17%、ガラス/セラミックでは14%と意外に低めとなっています。


しかし、今後6か月で更にガスの節約が可能かという問いに対しては、
余力あり(薄青):39%     生産抑制すれば可能(青):41%、
生産停止しかない(紫):12%  不明(灰):8%
となっており、さすがにこれ以上の節約は生産活動に相応の支障を来すものと考えておいた方が良さそうです。

 

産業別に見ますと、

これ以上の節約が必要なら生産停止しかない、と回答している企業の割合が多いのは、食品(27%)、印刷(24%)、金属(24%)。

これまで意外に奮闘してきたガラス/セラミックスでは69%、化学では57%が、これ以上節約するなら生産抑制、と回答しており、既にぎりぎりの運営となっていることが伺えます。

 

なお、商店や家庭も結構頑張って節約しているため....

 

ドイツのガス備蓄はほぼキャパの100%に達しており....

 

ドイツ国内のガス小売価格もだいぶ落ち着いてきています。

(8月末前年同期比「7倍!」→足元1.7倍)