日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230528 ドイツで労組新規加入が急増中


ドイツ3大全国紙の1角であるヴェルト紙が実施した、ドイツ労働組合総連合(DGB)傘下の8労働組合を対象としたアンケート調査結果によると、スト頻発で若干一般市民から顰蹙を買いつつも、賃上げなどの処遇改善で頼りになる労働組合への新規加入が今年に入ってからかなり増えている模様です。但し、定年退職者数が非常に多いため、ネット会員増になるかどうかは微妙なようです。

 

特筆すべきコメントなどは以下の通りです。

  • 非常に厳しい経済状況の中、労働組合メンバーになればより大きな恩恵(賃上げ、時短、リスキリング)を受けられる可能性が高まっている。
  • ストライキの報道とその成果としての賃上げ達成を目の当たりにして「自分も行動を起こしたい」という欲求が高まっている。
  • インフレで人々の財布は燃えており、ストライキのベストを着て戦うのが待ちきれなくなっている。絶望が組合員を武装駆り立てている。
  • 製菓業界など、過去何十年もの間ストライキがなかった企業でもストライキ実施が呼びかけられている。
  • 団体交渉/ストライキへの参加率はここ数年よりも高くなってきている。
  • ストライキが注目を集めれば集めるほど、労組としては会員を獲得しやすくなる。
  • 現在、社員の6人のうち1人程度しか組合員はいない。また、組合員の21%が50歳以上と高齢。労組として新規会員獲得は非常に重要。
  • サービス業最大の労組ヴェルディでは年初来約10万人と過去に例がないくらいの新規加入があり、退職などによる減少分を差し引いてもプラスとなる見込み。
  • 新規加入増加の流れが今後どれほど続くかについては不透明。退職者数も激増するのでネット増加にまで結びつけるのは容易でない
  • IGメタルは今後週4日制の導入に力を入れていく方針。