日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230531 モスクワでのドローン攻撃についてのドイツメディアの報道ぶり

 

そもそも誰がやったのかという最も重要な事実関係がはっきりしないので、あまり踏み込んだ分析はできないながらもなかなか興味深い評価がされていると思いましたのでご参考まで。

 

  • 現時点で判っているのは、8機(一説には25機)のドローンによる攻撃でモスクワの3か所が(目標から逸れたものの)被弾、死者など大きな被害なし。
  • ロシア側はウクライナのテロだと主張しているが、誰の仕業かわかっていない。状況を分析できる情報はほとんどない。
  • 4週間前のクレムリンへの無人機攻撃、ベルゴロドでの親ウクライナ派グループによる最近の攻撃、に続く今回のモスクワの住宅建物への攻撃の後でも、プーチンは非常に慎重な反応に徹しているように見える。
  • 誰の仕業であったにせよ、ロシア国家が脆弱であり、国民の安全がもはや保証しきれなくなりつつあるという認識は広がりつつある
  • 多くのモスクワ市民は、プーチンが喧伝してきた安全性がとうの昔になくなっていることを一連のドローン攻撃から学んでいる。
  • モスクワの住民は、ウクライナの人々が昨年2月以来耐えなければならなかったのと同じ恐怖を初めて知ることになっている。
  • ロシアの戦争屋による悪行を隠し続けることはますます困難になってきているが、ロシア国民の間で大規模な抗議活動につながるかどうかはまだ分からない。
    (西側のTVインタビューでは、誰も戦争反対という意見を言わない)
  • 戦争に反対するロシア国民の蜂起が最終的に戦争を終わらせる最良の方法であることは間違いない。
  • ウクライナとしては、ロシア国民やロシアエリート層にプーチン体制に対する疑念を何とか植え付けたいところ。
  • ウクライナが予告している大規模反攻作戦は始まっておらず、最前線での動きはまだあまり感じられないが、ウクライナ戦争全体としては大きく動きつつある。
  • ロシアによるキーウへのドローン攻撃は、5月半ば以降激しさを増している。反攻前に少しでもウクライナ人を疲弊させ、抵抗の意志を削ごうとしている。
  • プーチンとしては、いずれ西側諸国はウクライナ支援にうんざりし始めるはずなので、その時が来るまでひたすら粘る算段。
  • ドイツの安全保障専門家の「モスクワへの無人機攻撃は精神的ダメージを狙ったもの。戦争がロシアに到来し、自国を守ることができないことを示している」というコメントを紹介。

 

<日本語報道例>

www.msn.com

 

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