日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230605 ライプチヒでの暴動についてのドイツメディアの報道ぶり

Barrikade im Leipziger Stadtteil Connewitz am Wochenende nach der Verurteilung von Lina E.

Demonstrationen - Leipzig: Ein Demonstrant wird von der Polizei in Gewahrsam genommen. Foto: Sebastian Willnow/dpa

 

ネオナチ/極右勢力に対する暴力行為で左翼過激派リーダーのリナ・E(女性)に実刑判決が出た後、ライプツィヒで左翼過激派の暴動が2夜にわたって続き、デモ参加者、警察双方に多数の負傷者が出ています。この件についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。

  • 数百人の覆面をした人々が瓶、石、花火などで警察官を攻撃し、約50人の警官が負傷した。ドイツにはまだまだ左翼過激主義が根強く残っている。
  • リナ・Eとそのグループの行動は極めて残忍であり許されるべきものではなかった。それでもまるでナチス政権下のレジスタンス戦士/殉教者でもあるかのように、一部の人々から同情と支援を集めている。
  • 左翼の暴力は「カウンターディフェンス」であり、ネオナチから自由を守るための良い暴力であるというおとぎ話も根強く残っている。
  • 判決や政策に異議を唱えてデモをする権利は認められている。しかし燃えるバリケードや投石は反ファシズムと何の関係もないただの暴力だ。
  • この自称反ファシストたちは、ナチスではなく、ナチスと闘っている非常に民主的な立憲国家を攻撃している。
  • しかもこの暴力によって改宗したナチスは一人もいない。
  • 左翼シーンは近年かなり穏健化してきたと思っていたが、暴力をいとわない人たちがまだまだかなりいることが証明された。
  • フェーザー連邦内務相は暴力的左翼の監視強化を宣言。
  • (一部左派メディアは当局側がやややりすぎだと批判)ライプツィヒ市当局の判断については疑問な点もある。1,000人のデモ参加者を警察が何時間も包囲し、裁判官の許可のもとデモの権利自体をとりあげたが、本当にそこまでする必要はあったのか。
  • このような国家権力の誇示は、権威主義的反動国家のイメージに近い。
  • 特にライプツィヒ警察の行動はバランスを欠いている(但し、デモ隊の暴力がひどすぎて仕方なかった、という警察側の主張の報道も多い)。
  • 今回の極左だけでなく、極右や気候変動原理主義者など、異なる考え方を持つ人々を暴力で攻撃する輩が激増している。国家権力は断固としてこれらを抑止しなければならない。
  • 但し、帝国市民のクーデター計画や難民に対する人種差別を見る限り、現在のドイツにおける最大の脅威が右翼過激主義であることに疑問の余地はない。

 

<現場の様子を伝える動画例(ドイツ語、現場映像:1分22秒~)>

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