日独経済日記

「毎日がうまくいく366のヒント」の訳者:今のドイツのリアルをお届けします

20260129 中国でのドイツ高級車時代の終わりの始まり

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【今回のポイント】
・中国の高級車市場縮小、国産EV選好でドイツ車苦戦
・過剰な銀行規制が脱炭素投資を阻んでいる(IW)
・人口減少/シニア大量退職と時短が人手不足の元凶

  1. 中国の高級車市場が急縮小:Porsche は、中国での販売が長期的に低水準のまま推移すると見ている。背景には、中国の高級車市場が 短期間で約80%縮小した構造変化がある。2026年以降も販売台数は 3〜4万台規模にとどまる見通し。2025年から導入される 高級税の引き上げ が需要をさらに圧迫。EV中心の政策により、大排気量モデルが不利になる規制も影響。中国メーカーは電動化・ソフトウェアで急速に競争力を高めている。消費者の嗜好が 国産ブランドへシフト していることも逆風。Porsche は販売店網の見直しなど、現地組織のスリム化 を進める。中国向けに 専用ソフトウェアやインフォテインメント を開発し差別化を図る。ただし、現地生産や大規模投資には慎重姿勢を維持。親会社の VW グループも中国市場で苦戦している。VW の中国販売は 14年ぶりの低水準(270万台) に落ち込んだ。EV販売は 8万台と低迷し、シェアは一桁にとどまる。一方で内燃機関(ICE)では 22%のシェアを維持し収益源となっている。VW は中国向けの ローカル開発モデル を強化する方針。Xpeng や SAIC との提携を通じて競争力を補う戦略。2026年は依然として“移行期”で厳しい状況が続く見通し。本格的な回復は 2027年以降 とされる。Porsche も VW も、中国市場の構造変化に合わせた再設計が急務。欧州高級車メーカーにとって、中国はもはや“成長市場”ではなくなりつつある。

  2. 銀行規制は脱炭素投資の障害:ドイツ経済の脱炭素化には 年間8,190億ユーロ の巨額投資が必要。建物分野だけで 4,350億ユーロ/年 の追加投資が求められる。これらの資金需要の多くは銀行融資に依存。しかし現行規制のままでは、銀行は8,670億ユーロもの追加自己資本を必要とする。自己資本が増えなければ、銀行の自己資本比率は 19.3%→13.5% に低下する見通し。Basel IIIの実施でさらに129〜135億ユーロの追加負担が発生。規制強化が続けば、企業は ノンバンク(影の銀行) に資金調達を移す可能性が高い。これは金融システム全体の安定性を逆に損なうリスクがある。IWは、資本バッファー見直しや規制の簡素化など “バランスの取れた改革” を提案。目的は、脱炭素投資を妨げず、金融安定も維持する 持続可能な規制設計 の実現。

    【関連動画】ドイツ銀行業界についての解説
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  3. 深刻な人手不足:以下はドイツ政府が昨日発表した年次経済報告書の中のグラフ。労働投入量(赤線)減少の主因は、①労働力人口減少(橙棒)、②労働時間の減少(青棒)、③失業(緑棒)。これらのせいで、ドイツの潜在成長率は年+0.4%まで低下している。このため、メルツ首相はSPDの抵抗に遭いながらも「ドイツ人をもっと働かせる」ための手を打っている。
    【関連動画】ドイツの人手不足解説

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【今夕のひとこと】
>「常に先回りして、必要な場所にモノを配置する」。これだけでタイパは劇的に変わる。手ぶらで移動する時、「本当に何も運ぶものはないか?」と自問しよう。

【ドイツ関連日本語記事】

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【ドイツ経済直近断面】

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【ドイツ駐在サバイバルノウハウ集】

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