日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

20220130 ビハインドザカーブに陥りつつあるECB

先週の米FOMCをこなした後、米FEDによる年内利上げ織込みは計5回(25bp刻み)となっています。 CMEの FedWatch ツール: FOMCへカウントダウン (cmegroup.com) 昨年後半以降、米FEDによる利上げ地均し/市場織込みが急速に進んだ結果、米国債2年物利回りは下図…

20220129 「より良い世の中」を手に入れるために

あらゆる意味で「トランスフォーメーション」が求められる時代になりました。目先のコロナ対応から長期的視点での気候変動対応、その手段としてのデジタリゼーションなど、私たちがやるべき宿題は山積しています。誰もが手に入れたい「より良い世の中」を実…

20220128 プーチン大統領に最も厳しいところを突かれているドイツ

プーチン露大統領は、 欧州/世界が脱炭素に思い切り舵を切った瞬間を狙いすました上で、 自国が豊富に保有し、脱炭素実現前でまだ価値のある炭素エネルギー(原油、天然ガス)と、政治的影響力行使可能な中央アジアのウランを武器にして、 ロシアの国益(NAT…

20220127 ドイツコロナ状況アップデート

ドイツでもいよいよ1日の感染者数が20万人を超えてきたので、リスク管理上重要なポイントを確認しておきます。 ドイツ国立感染研究所(RKI)の日報のヘッドライン(英語版)がこちらです。重視すべきモニタリング対象データが一覧できるようになっています。…

20220127 ドイツ経済省 年次経済報告

1/26、ハーベック経済(気候変動対策)相・兼副首相(Green)が同省の年次経済報告を発表しました(昨年までは経済・エネルギー省でした)。 今年の実質GDPは+3.6%、インフレ率は+3.3%(コアだと+2.4%) 外需寄与はゼロで個人(リベンジ)消費主導/内需…

20220126 国際通貨基金世界経済見通しアップデート

昨日発表された国際通貨基金(IMF)世界経済見通し(WEO)アップデートのドイツ関連部分をざっとチェックしました。 World Economic Outlook Update, January 2022: Rising Caseloads, A Disrupted Recovery, and Higher Inflation (imf.org) ドイツ担当者と…

20220125 ドイツifo景況指数もPMIに続いて堅調

本日発表されたドイツ1月ifo景況指数は、期待指数を中心に市場予想以上の反発(95.7 VS 市場予想94.7)を見せていました。昨年後半はずっと下げ止まらなかったので、久々の朗報と言えます。 https://www.ifo.de/node/67662 https://tradingeconomics.com/ger…

20220124 ユーロ圏とドイツの総合PMIについて

本日IHS Markitからドイツを含むユーロ圏の1月総合PMI(有益な景気先行指標)が発表されました。 PMI Releases (markiteconomics.com) 52.4という数字自体はほぼ予想(52.6)通りの水準であったにもかかわらず、オミクロン拡大による景気減速継続が確認され…

20220123 ドイツ政局プチアップデート(メルツ氏奇跡のカムバックなど)

1月22日に開催されたドイツ最大野党CDUの党大会でメルツ氏(66)が94.6%という高い支持を集めて新党首に選出されました(写真左、右はラシェット前党首(60))。 メルツ氏は党保守派の経済通で、党幹部の若返りを図りつつ新体制下で党勢回復を目指します。…

20220122 日本がドイツのリスク地域に指定されましたが。。。

これまで諸外国比で圧倒的にコロナ感染が少なかった日本ですが、さすがに最近はオミクロン感染が急増し、多くの都道府県でまん延防止重点措置(飲食店の営業時間短縮、アルコール提供制限など)が取られ始めました。このような状況を受けて、日本はドイツか…

20220121 日本がドイツのハイリスク地域に指定されました

ドイツ国立感染研究所(RKI)は、原則毎週金曜日に、どの国に対してどのような防疫措置を適用するかについてアップデートしています。 RKI - Coronavirus SARS-CoV-2 - Informationen zur Ausweisung internationaler Risikogebiete durch das Auswärtige Am…

20220120 ドイツコロナアップデート 2月半ばのピークに備える

中国が北京オリンピック前に大分引き締めてきましたが、それでもまだドイツのコロナ対策が世界一厳しいという状況が続いています。 COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk) 従って、オミクロンの広がり具合も、…

20220119 ドイツ製造業受注残、売上の7.6か月分まで積み上がり

本日のドイツ連邦統計局発表によると、ドイツ製造業の11月受注「残」は、前月比+1.5%、売上の7.6か月分と、2015年の調査開始以来の高水準記録を更新しました。 ●製造業受注「残」インデックス(赤線:全体、青線:国内、緑線:海外) Auftragsbestand im Ve…

20220118 独ホテル・レストラン業界の苦境

本日ドイツ連邦統計局から2021年ホテル・レストラン業界の売上高速報値が発表され、 実質前年比フラット、名目+2%となっていました。 コロナ前の2019年比では、実質約▲40%、名目▲36%ですから、2年間連続で平時の6割程度の低い売上高で走り続けることを強…

20220117 まあまあ出足好調のショルツ首相に対する二つの批判

9月26日のドイツ連邦議会選挙から3ヶ月半、ショルツ首相率いる信号機連立政権成立から1か月が経過しましたが、ショルツ首相のSPDは26-27%と高い支持を維持しています。 Wahlumfragen zur Bundestagswahl – Sonntagsfrage (Wahlumfrage, Umfragen) (wahlrech…

20220116 ドイツの2021年ネガティブ流行語大賞「Pushback」

2021年のドイツ流行語大賞(Wort des Jahres)に「Wellenbrecher~コロナ(の波)抑止措置」が選ばれたことを先日お伝えしましたが、 20211203 今年のドイツ流行語大賞「Wellenbrecher~コロナ(の波)抑止措置」 - 日独経済日記 (hatenablog.com) ドイツで…

20220115 カーボンニュートラル、できるまでやる

日本は2050年のカーボンニュートラル実現と、その中間目標として2030年までに2013年度比で温暖化ガス排出量46%削減を目指しています。関連するいろいろな資料を見ていると、カーボンニュートラルは、日本にとっても世界の他の国々にとっても、「できると信じ…

20220114 人気政治家ぞろいの独ショルツ政権

先ほどZDF(ドイツ第二公共放送)Politbarometerのドイツ政治家人気ランキングが出たので早速チェックしました。 まだ引退したメルケル前首相が評価対象として残っており、しかもダントツトップ というのがまず目を引きますが、ドイツ政治にとって最も重要な…

20220113 ドイツコロナ状況アップデート

ドイツでは一時再生産数(下図橙線)が1.3まで上昇し、その後新規感染者数(青棒)も加速してきましたが、その後再生産数がやや減速に転じ、新規感染者数の幾何級数的増加のリスクは低下してきました。 州別の7日間指数(人口10万人当たり直近7日間新規感染…

20220112 ドイツ旅客宿泊件数推移

コロナがなかなか収まらないため、ドイツ宿泊関連業界にとって非常に厳しい状況が続いていますが、その具体的なしんどさ具合とその推移について垣間見せてくれる数字をご紹介します。 本日ドイツ連邦統計局から発表された11月旅客宿泊件数を見ますと、Touris…

20220111 ECBの誤った金融政策のせいで、ドイツ人一人当たり1700ユーロの購買力喪失という主張

ドイツで最も多くの人々(約100万人)に読まれている日刊新聞であるビルト紙の本日(2022/1/11)の一面トップは「ECBの見込み違いで、インフレ大ショック。ドイツ人の損害は1350億EUR」というまたまた挑発的な見出しになっていました。 Euro-Hüterin gibt zu…

20220110 ドイツでも反コロナデモが頻発しています

連日ドイツのあちこちで反コロナデモ(特にワクチン接種強制に反対)が起こっており、デュッセルドルフでも土曜日(1/8)午後は6500人が参加する大規模なデモが実施されました。 8. Januar 2022: Tausende Impfgegner ziehen durch Düsseldorf (rp-online.de…

20220109 ドイツもいよいよオミクロン感染急増に備えるべき局面

ドイツでは引き続き世界で最も厳しいコロナ対策が講じられているので、オミクロンの広がりも他国比遅れ気味になっています。 COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk) ドイツの新規感染 ヨーロッパ全体の新規感染…

20220108 今年は高名目成長、チャンスの年です

今年は米国主導の金融政策正常化の急速な進行を予感させる展開で幕を開けました。米10年国債利回りは1.77%まで上昇し、日本でもJGB10年物利回りが0.14%と明確にレンジを切り上げてきました。2019年以来ずっとマイナスだったドイツ10年物国債の利回りも先月…

20220107 ドイツの産業別GDPシェアに対するコロナの影響

2021年通年のドイツGDPはまだ出ていないので、2021年-9月期に対する分析になりますが、ドイツの産業セクター別GDPシェアの変化を見ると、以下のようなことが言えると思います。 ドイツのGDPにおいて製造業(除く建設)は1/4程度とシェア高め(日本2割、米国1…

20220106 ドイツの2021年通年のインフレ率は+3.1%で着地見込み

本日ドイツの12月CPI速報が発表され、前月比+0.5%、前年比+5.3%と上昇が加速していました。これは1992年6月以来の高水準です。いつまでたっても鈍化しない前月比の強い伸びが何とも気がかりです。 12月分のイメージがつかめたので、2021年通年は+3.1%とい…

20220105 ドイツコロナ状況アップデート(オミクロン対策リスク管理)

ドイツ内外のコロナ状況をチェックするには引き続きこちらのサイトがお勧めです。 Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de) ドイツでは、デルタによる第4波がいったん終息し、いよいよオミクロンによる第5波が始まろうとし…

20220104 ユーラシアグループのトップリスク2022

毎年恒例のユーラシアグループによる今年注意すべきリスクトップ10が発表されました。 EurasiaGroup_TopRisks2022.pdf 日本語報道ではこのような感じで速報されました。 https://www.yomiuri.co.jp/world/20220103-OYT1T50111/ これら10のリスクについて、ド…

20220103 内外有力機関によるドイツGDP/インフレ予想一覧

ドイツの経済専門新聞(日経新聞に相当)ハンデルスブラット紙傘下のハンデルスブラット研(HRI)が四半期ごとにアップデートしている経済予測を本日同紙一面トップで発表しました。 HRI-Konjunkturprognose: Der Post-Corona-Boom fällt aus (handelsblatt.…

20220102 ドイツ人が今年重要と考えている政策トップ3/ボトム3

ドイツの新聞・雑誌をデジタルで購入するにはこちらのiキオスクが便利なのですが、表紙の画像やタイトルをざっとチェックするだけでもドイツの世相が理解できるので愛用しています。 Digitale Zeitungen, Zeitschriften und Magazine als ePaper (ikiosk.de)…