日独経済日記

「毎日がうまくいく366のヒント」の訳者:今のドイツのリアルをお届けします

独仏次世代戦闘機計画破局についてのドイツメディアの報道ぶり

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掲題についての、ドイツ主要メディアの報道ぶりをまとめると以下の通り

  • 「事実上の破綻」状態から「正式な破綻」へ移行
    数年にわたる停滞・コスト増・政治的対立を経て、ドイツ政府がついに計画中止を決断した。FCAS破綻は時間の問題とみられていたので、特段新味はない
  • 独仏関係への打撃
    FCASは「欧州防衛の象徴」とされてきたため、破綻が独仏協力の後退であることは否めない
  • Airbusの次の一手に注目
    新たなパートナー探し(スペイン・イタリア・スウェーデンなど)が焦点
  • 政治判断の失敗としての扱い
    「ILA(航空ショー)直前の発表は象徴的」 
    但しMerz(CDU)と Macron はロンドンで協議済みで、政治レベルでの決着はついていた
  • 技術仕様の対立
    ステルス性能・AI統合・無人随伴機の仕様、最高速度など、仕様面での意見対立が解消できなかった(Airbus と Dassault の企業間の主導権争いが破綻の主因)
  • コスト管理の不透明さ予算超過
    ドイツ財務省が「これ以上の増額は容認できない」と判断した模様
  • 代替案は、Eurofighterの改良型既存機の延命
  • 独仏間の安保戦略観のズレ
    ・フランス:核抑止を含む“戦略的自立”を志向
    ・ドイツ:米国との協調を前提とするNATOとの整合性を重視

 

【独仏の対立点一覧表(FCASを含む防衛・外交・産業政策全般)】

分野 ドイツ(DE) フランス(FR) 対立の本質
防衛戦略 NATO中心、米国との連携・協力を重視 欧州戦略自立(autonomie stratégique)を重視 欧州の防衛主体は誰かという根本的な戦略観の違い
FCAS
(次世代戦闘機)
Airbus主導を希望、仕様も保守的 Dassault主導を要求、より高度なステルス・AI統合を志向 企業の主導権争い+技術仕様の不一致
国防費の優先順位 財政規律を重視、増額に慎重 国防を国家戦略の中心に置き、積極投資 財政観の違いが大型共同開発を困難に
EU財政規律 緊縮・均衡財政を重視 成長のための積極財政を容認 「財政規律 vs 成長優先」の構図

産業政策

(AI・半導体)

産業補助金に慎重、規制重視 国家主導の産業育成を推進 国家介入の度合いを巡る対立
エネルギー政策 脱原発・再エネ中心 原子力を中核とするエネルギーミックス エネルギー安全保障の哲学が真逆

EU拡大

(ウクライナ等)

新規加盟を積極支持 拙速な拡大に慎重 EUの将来像を巡る優先順位の違い
対米関係 安全保障は米国依存度が高い 米国と距離を置きつつ独自外交を志向 米国との距離感の差
対中政策 経済依存の高さから慎重姿勢 安全保障上の警戒を強める 経済と安全保障のバランスの違い

大型共同プロジェクト(例:FCAS、MGCS)

仕様・予算・主導権で譲歩を求める 国家主導で主導権確保を重視 共同開発のガバナンス不一致

 

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ドイツのエネルギー小売価格アップデート

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①ドイツ国内エネルギー価格推移(左から、電力、ガソリン、ガス)

イラン戦争勃発以降、ガソリン価格の高騰が続いている。ピーク時からはわずかに下がっているものの、依然として前年を大きく上回っている。電力とガス(共に新規契約時の価格)は、ガソリンに比べると比較的落ち着いた動きにとどまっている。

 

②太陽光(黄線、)風力(緑線)とも計画(黒点線)比整備が大きく遅れている。
イラン戦争による原油価格上昇でも、特段勢いづいている気配はない(簡単に作れるところには既に作ってしまっており、今後の拡張はしんどいところばかり)。

 

③ドイツでも交通分野での化石燃料削減が脱炭素の主戦場



【毎日が必ずうまくいく366のヒント】~ドイツのベストセラーを私が翻訳

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【週末の雑談ネタ】

【日独経済日記】毎週末の和独英メッセージ(ビジネス雑談用)|Nobuo Date|note

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ドイツ・ブンデスリーガ日本人選手一覧

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◆ドイツ・ブンデスリーガ(1/2部)日本人選手の
 各種スタッツ(リーグ戦平均評点、出場時間、
 市場価格
など)アップデート


日本のプロ野球同様、ドイツではサッカーの話題がビジネス雑談ネタとして有効。

地元チームの日本人選手の活躍ぶりは、同僚との心の距離を縮めるための格好の材料。

最低でも上表赤字部分だけでも押さえておいていただきたい。

①マインツの佐野海舟選手が世界中の日本人選手の中で最も市場価値が高いこと。

②デュッセルドルフの田中聡選手が1部に昇格したばかりのシャルケに移籍したこと。

 

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ドイツ不動産市場の最新動向

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昨日ドイツ連邦銀行が住宅用および商業用不動産市場の最新データ集を発表していたので、重要なポイントを以下まとめておく。

①ドイツ商業用不動産

商業用不動産全体の価格は2021年から2022年頃をピークに下落し、最近底打ちの気配を見せている。物件タイプ別に見ると、小売用(橙)の価格と家賃は2019年から2020年頃より先行して明確な下落が始まっているのに対し、オフィス(青)や集合住宅(緑)の家賃はその後も上昇傾向を維持するなど、セクター間で動向に乖離が見られる、なお近年は、都市部の中心街の中でも小売店舗の空き物件(多目的への転用が困難)が非常に目立つようになっている。

【価格】

【家賃】

2022年以降、商業用不動産の取引額(黒)が急激に落ち込んでおり、特に7大都市(緑)においてその減少幅が顕著。

【取引額】

これと連動するように、2019年頃まで歴史的な低水準にあったオフィスの空室率(赤)が近年急速に悪化しており、やはり7大都市(緑)で特に大きく跳ね上がっている。

【空室率】

②ドイツ住宅用不動産

2010年以降、ドイツ国内の住宅価格および家賃は大幅に上昇。とくにデュッセルドルフ、ベルリン、ミュンヘンなどを含む7大都市(赤)」においては全国平均を上回る顕著な高騰を続けている。但し、価格については2022年頃をピークに最近伸び悩み。

【価格】

【家賃】


数年前まで歴史的な低水準で推移していた住宅ローン金利も、2022年から2023年にかけて一気に約4%台まで急上昇。この急激な金利上昇(資金調達コストの増大)に伴い、家計向けの新規住宅ローン融資の伸び率には急ブレーキがかかっている。

【住宅ローン金利】


物件価格の高止まりと住宅ローン金利の上昇という逆風により、2022年以降、分譲マンションなどの不動産取引件数が劇的に減少。市場全体の活動が大きく冷え込んでいることを示唆。
【取引件数】


【週末の雑談ネタ】

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ドイツ駐在員の資産運用術

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<Japanese>

日本の本社から派遣され、5年程度の任期を想定しているドイツ駐在員にとって、現地でETF投資を始めるのは必ずしも得策ではありません。帰国時の「非居住者化」に伴い、口座の強制売却とドイツ側での納税を強いられてしまい、腰を据えた長期投資ができないためです。インフレと金利の動向を睨みながら定期預金をうまく活用し、家計の資金繰りとユーロ円相場の兼ね合いを見ながら、日本への送金タイミングを最適化することに専念すべきでしょう。

幸い私の場合は、ドイツに長く滞在しようと思っているので、ETFを活用して長期的な国際分散投資を手掛けることが可能です。米国は中東の戦地から遠く、自前の原油やガスを持ち、AIと人口動態上の優位を活かして経済がどんどん成長しそうな上、ドル安リスクが差し迫っていないように見えるので、最近私は米国のウェートをかなり厚めにしています。しかし先日、ドイツの経済週刊誌「Wirtschaftswoche(ヴィルトシャフツヴォッヘ)」が、「MSCI Worldは、米株の圧倒的な時価総額の都合上、米国のウェートが7割強となっている。グローバル分散分散には程遠いので、自分でしっかり地域配分を調整せよ」と指摘していたのを見て、少しハッとさせられました。私は「MSCI World」に頼らず、日・米・ユーロの3極の間のバランスを自力で取っているのですが、気を付けていないと確かに米国のウェートが大きくなりすぎてしまいがちなのです。

私は米国で米ドル建ての暮らしをしているわけではないので、運用資産における過度の米国依存を修正する意識的なアクションが必要になります。とはいえ、手数料や課税面を考えると、ETFの売買を細かく繰り返すのは得策ではありません。「売却と購入を組みあわせてシフトする」のではなく「積み立て額を調整する」「生活費用換金時にウェートが大きいものから先に売る」といった方法で対応しています。


<English>

For Japanese expatriates assigned to Germany for a standard five-year tenure, embarking on local ETF investing is not necessarily a prudent course of action. The transition to "non-resident" status upon their eventual return to Japan often triggers the forced liquidation of their accounts and immediate tax liabilities in Germany, effectively denying them the opportunity for steady, long-term compounding. Their focus should instead be directed toward leveraging time deposits in step with inflation and interest rate trends, while strategically timing remittances back to Japan by carefully weighing household cash flow against the EUR/JPY exchange rate.

Fortunately, in my case, with the prospect of a long-term stay in Germany, I am well-positioned to pursue a genuinely long-term, globally diversified investment strategy using ETFs. I have recently maintained a substantial overweight position in the United States. Geographically insulated from the conflicts in the Middle East, endowed with self-sufficient oil and gas reserves, and poised for robust economic expansion driven by its leadership in AI and favorable demographics—all while facing no imminent threat of a weakening dollar—the U.S. remains an incredibly compelling destination for capital.

However, a recent commentary in the German economic weekly Wirtschaftswoche gave me pause. The magazine pointed out that due to the sheer market capitalization of U.S. equities, the MSCI World Index now carries an over-70% weighting in the United States, rendering it far from a truly global diversification. It urged investors to actively manage their own regional allocations. Although I do not rely on the MSCI World Index and instead manually balance my portfolio across the three pillars of Japan, the U.S., and the Eurozone, I realized upon reflection that without constant vigilance, the American weight inherently tends to balloon.

Since I do not live in the U.S. nor earn my livelihood in greenbacks, I must take conscious action to correct an excessive reliance on the U.S. within my investable assets. That said, constantly buying and selling ETFs to rebalance is a fool's errand when considering transaction fees and German capital gains tax. Rather than executing a costly "sell-and-buy" shift, I manage this by adjusting the ratios of my ongoing monthly contributions and ensuring that when the time comes to liquidate assets for living expenses, I draw first from the overrepresented tranches.


<German>

Für japanische Expatriates, die von ihrer Zentrale für eine absehbare Amtszeit von etwa fünf Jahren nach Deutschland entsandt werden, ist der Einstieg in das lokale ETF-Investment nicht unbedingt ratsam. Der Statuswechsel zum „Steuerausländer“ bei der Rückkehr nach Japan führt häufig zur Zwangsauflösung des Depots und zur sofortigen Besteuerung in Deutschland, was ein ungestörtes, langfristiges Investieren unmöglich macht. Solche Anleger sollten sich vielmehr darauf konzentrieren, Festgelder unter Berücksichtigung von Inflation und Zinsentwicklung klug zu nutzen und den optimalen Zeitpunkt für Rücküberweisungen nach Japan im Spannungsfeld zwischen Haushaltsliquidität und dem Euro-Yen-Wechselkurs abzupassen.

Ich befinde mich glücklicherweise in der Situation, einen langfristigen Aufenthalt in Deutschland zu planen, was mir den Zugang zu einer echten, langfristigen internationalen Diversifikation mittels ETFs eröffnet. Zuletzt habe ich die USA in meinem Portfolio deutlich übergewichtet. Das Land ist weit von den Krisenherden im Nahen Osten entfernt, verfügt über eigene Öl- und Gasreserven und verspricht dank KI-Innovationen und einer günstigen Demografie ein anhaltendes Wirtschaftswachstum. Da zudem kein unmittelbares Abwertungsrisiko für den Dollar in Sicht scheint, halte ich diese Allokation für absolut gerechtfertigt.

Vor Kurzem brachte mich jedoch ein Artikel in der Wirtschaftswoche zum Nachdenken. Das Magazin wies darauf hin, dass der MSCI World aufgrund der schieren Marktkapitalisierung von US-Aktien zu gut 70 Prozent aus US-Werten besteht – von einer echten globalen Diversifikation könne also keine Rede sein. Anleger wurden aufgefordert, die regionale Aufteilung selbst aktiv zu steuern. Obwohl ich nicht auf den MSCI World setze, sondern die Balance zwischen den drei Blöcken Japan, USA und Eurozone eigenständig austariere, musste ich feststellen: Lässt man die Dinge laufen, neigt das US-Gewicht unweigerlich dazu, überproportional anzuwachsen.

Da ich mein Leben nicht in den USA verbringe und meinen Lebensunterhalt nicht in US-Dollar bestreite, bedarf es bewusster Schritte, um eine übermäßige US-Abhängigkeit im Anlagevermögen zu korrigieren. Gleichwohl wäre es angesichts von Transaktionsgebühren und der deutschen Abgeltungsteuer unklug, ETFs ständig hin- und herzuschichten. Statt eines kostspieligen Umschichtens durch Verkauf und Neukauf passe ich daher die Gewichtung meiner laufenden Sparraten an. Zudem werde ich künftig bei Entnahmen für den Lebensunterhalt gezielt diejenigen Positionen zuerst liquidieren, die das größte Übergewicht aufweisen.

 

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安保理落選に対するドイツメディアの報道ぶり

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ドイツの国連安保理非常任理事国選挙での「敗北」について、主要ドイツメディア(FAZ、SZ、Spiegel、Tagesschau など)の論調を総合すると、以下の通り:

◆ 結論

ドイツの敗北は、
「メルツ政権の失策」+「外交ネットワークの弱体化」+「国際環境の変化」
が重なった“必然的な結果。

  • ドイツはもはや自動的に支持される大国ではない
  • 価値外交と現実外交の矛盾が露呈した
  • 欧州内の求心力が低下している

という3点が露呈。


◆ ドイツ主要メディアの主な論調

「メルツ政権の外交的未熟さが露呈」

  • メルツ首相の一部の発言(中東関連など)が「国際法軽視」と受け取られた
  • UNRWA拠出停止要求など、中東政策の急旋回が不信を招いた
  • 外交官の現場努力はあったが、政治レベルでのメッセージが一貫していなかった

「ドイツは“道徳的優等生”の地位を失った」

  • 近年のドイツ外交は“価値外交”を掲げつつ、実際には政策がブレ続けた
  • 特にグローバルサウスからの信頼が低下
  • ウクライナ支援での強硬姿勢が、非同盟諸国の票を遠ざけた

「票読みの甘さと外交ネットワークの弱体化」

  • 外務省の票読みが大きく外れた点が問題
  • 2019年の遅い立候補表明で、オーストリアに先手を取られた
  • ドイツは自国の影響力を過大評価していた

「敗因は複合的:政策の不一致・国際環境・欧州内の分裂」

  • EU内での票固めが不十分だった(特にハンガリー、ギリシャなど親露諸国)
  • 中国の投票行動は依然ブラックボックス

「メルツ政権の国内政治迷走が国際評価に影響」

  • 国内での強硬な治安・移民政策が、国際的には「排他的」と受け止められた
  • 国内政治向けの発言が国際舞台で不信を招いた

オーストリアが勝った理由(比較視点)

  • 早期の立候補表明(2017年)で8年間も周到に準備
  • グローバルサウスへの継続的な開発協力
  • 中東・バルカンでの仲介役としての評価
  • 「小国ゆえの中立性」がプラスに働いた
  • ドイツとは対照的に、「敵を作らず、静かに票を積み上げた」

 

◆今後の影響

メルツ政権への政治的打撃

  • 野党(Green・SPD・AfD)から批判集中(政府攻撃の絶好の口実を提供)
  • 「外交の失敗を国内政治が招いた」との論調が強い

ドイツ外交の立て直しが急務

  • グローバルサウスとの関係修復とEU内の結束強化が重要
  • 外務省の地力(票読み能力)低下も要対応

 

【ドイツ駐在員サバイバルスキルシリーズ】

dateno.hatenablog.com

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3部落ちしたフォルトゥナ・デュッセルドルフの現状と展望③

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ドイツブンデスリーガ3部の今期の顔ぶれ:

デュッセルドルフ駐在のビジネスパーソンおよび生活者の視点から、フォルトゥナ・デュッセルドルフの3部降格に伴う現状と今後の展望について、「今これだけは押さえておくべき10のポイント」をまとめると以下の通り:

1. 得失点差「1」に泣いた過酷な3部降格

2025/2026シーズンの2部リーグは、最終節の直接対決で敗れ17位が確定。16位のグロイター・フュルトとは勝ち点「37」で並んだものの、得失点差わずか「1」の差で3部へ直接降格するという、極めて残酷な結末だった。

2. 主力選手が「移籍金ゼロ」で大量流出の危機

最も深刻なのが主力選手との契約問題。現在の所属選手のうち、3部リーグでも有効な契約を持つ選手は10名程度。今季15ゴールを挙げ、W杯スイス代表にも選出されたエースのセドリック・イッテン選手が、1部のウニオン・ベルリンへ移籍金なし(フリー)で流出することが正式発表された。

3. 日本人選手の動向:日本代表クラスの田中聡選手の残留可能性は低い

冬に加入し、3部でも有効な長期契約(2030年まで)を残している田中聡選手。しかし、その契約には「約100万ユーロ(約1億8,500万円)」の契約解除条項が含まれている。現在、2部のハノーファー96などがこの満額回答での獲得を狙って水面下で交渉を続けており、去就が注目されている。

4. 守護神カステンマイヤー選手は「大幅減俸」で漢気の残留!

暗いニュースが続く中、最大の朗報がこちら。3部契約がなくフリー退団が可能だった正GKでありキャプテンのフロリアン・カステンマイヤー選手が、大幅な(2割程度?)減俸を受け入れて3部での新契約にサイン。「クラブを本来の場所に戻す」という彼の決断は、再建への大きな光となっている。

5. フロントの電撃更迭:ミスリンタートSDが半年で退任

降格決定直後に「俺は逃げない」と宣言していたスヴェン・ミスリンタートSD(スポーツディレクター)が、監査役会との方針のズレから5月下旬に電撃退任(双方合意の契約解除)。後任には、過去にビーレフェルトを3部から1部へ引き上げた実績を持つサミール・アラビ氏が就任し、文字通り「ゼロからのチーム作り」をスタートさせている。

6. 放映権料が「10分の1」に激減、クラブ財政は火の車

2部時代には年間約1,700万ユーロあったTV放映権料収入が、3部では約180万ユーロに激減。これによりクラブは急激な緊縮財政へ舵を切らざるを得なくなった。

7. 67名のスタッフ解雇と、経営トップの自主減俸

放映権料の激減を受け、アレクサンダー・ヨブストCEOは、クラブスタッフの半数以上にあたる「67名」の解雇という残酷なリストラを発表。オフィスには重苦しい空気が漂い、解雇されたスタッフによる訴訟リスク(実現しつつある)も浮上する中、ヨブストCEO自身も自身の役員報酬の大半を返上する自主減俸を申し出ている。

8. 名物プロジェクト「みんなのフォルトゥナ(無料観戦)」終了

一部のホームゲームでファンを無料招待し、独自のスポンサー収入だけで運営する世界的に注目された革新的なモデル「Fortuna für alle(みんなのフォルトゥナ)」は終了確実な情勢。

9. デュッセルドルフ市がスタジアム家賃を「半額」にして救済

5万4,000人収容の巨大なホームスタジアム「メルクール・シュピール・アレーナ」の維持費は3部クラブには巨額すぎるので、デュッセルドルフ市が救済措置を発動。来季のスタジアム賃料を年間150万ユーロ(従来の半額)に減額することを決定した。

10. 日系企業のスポンサーシップ・VIP席需要への影響

3部への降格により、ドイツ国内でのメディア露出は大幅に低下する。フォルトゥナを協賛してきた多くの日系企業は、今後のスポンサー契約の費用対効果や、駐在員ネットワーク・顧客接待の場として重宝されてきた「VIPラウンジ(ホスピタリティ席)」の利用価値について、再評価を迫られている

 

【筆者所見】

 クラブの規模を考えると、3部リーグへの長期滞在は経営的な死を意味する。過去には、3部に適応できるチーム編成に失敗し、そのまま4部に落ちたチームも多数削運在する。そのため、来季は「1年での2部復帰(ダイレクト・プロモーション)」が絶対条件となる。

 昨季話題となった「無料試合」を廃止する一方、ホーム試合数が増える(3部は20チーム編成、冒頭図表)ということもあり、シーズンシートの価格は据え置きとなった。3部に落ちたので割高感は正直否めないが、新スローガン「Jetzt erst recht(今こそやってやる)」のもとで販売されたチケットは異例の好スタートを切っている。

 地元の熱いファン、そして我々日系コミュニティが、この逆境にある地元のクラブをどう支えていくか、フォルトゥナは今、クラブの歴史の中で最もローカルな結束力を試される時期を迎えている。同様の境遇からビーレフェルトを救った、アラビ新SDの手腕に大いに期待したい。

 

【過去の関連報告2件】

dateno.hatenablog.com

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