日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220928 IMD世界【デジタル】競争力ランキングでは、ドイツ19位(日本は29位)

スイスのビジネススクールである国際経営開発研究所(IMD〜International Institute for Management Development)が毎年発表している世界デジタル競争力ランキング(対象63カ国・地域)によると、ドイツは昨年から一つ順位を下げて19位、トップ5は、①デンマーク、②米国、③スウェーデン、④シンガポール、⑤スイス、オランダは6位、韓国が8位、台湾は11位、中国は17位、英国は18位、日本は29位となっていました。

 

各国統計データと経営者・管理職への聞き取り調査をベースとして、「知識」「技術」「将来の準備」という3つの切り口で評価した結果が総合的にランキングされています。

 

IMDによる国別データのドイツ部分を虚心坦懐に眺めると、以下のようなメッセージが読み取れると思います。

  • 職業教育を含め、科学技術教育が充実しており、優秀な理系人材が多い。
  • 教育や研究でのロボット活用も進んでいる。 
  • 財政が極めて健全であり、財政面からデジタリゼーションを支える力のポテンシャルは世界一。 
  • ブロードバンド普及、ビッグデータ活用、企業のしやすさ、国民のデジタル習熟度などといった面で他国比やや見劣りしている。

https://www.imd.org/centers/world-competitiveness-center/rankings/world-digital-competitiveness/

 

なお、本ランキングにおける日本の低迷についてはこちらの日経記事をご覧ください。

www.nikkei.com

20220928 IMD世界競争力ランキング、ドイツ15位(日本は34位)

スイスのビジネススクールである国際経営開発研究所(IMD〜International Institute for Management Development)が毎年発表している世界競争力ランキング(対象63カ国・地域)によると、ドイツは昨年と同じ15位、トップ5は、①デンマーク、②スイス、③シンガポール、④スウェーデン、⑤香港、オランダは6位、米国は10位、中国は17位、英国は23位、日本は34位となっていました。

 

各評価項目について、ドイツ、英国、オランダ、日本の4カ国を対照表にしてみました。
あくまで私見です(報告書にそう書いてあるわけではありません)が、この表から浮かび上がってくるドイツの特徴は以下のように表現できると思います。

  • 科学インフラ(科学研究分野の底力)が米国に次いで強い。
  • 環境保護面でも世界の先を行っている。
  • その力を貿易や投資(すなわち実際の商売)でも大いに発揮している。
  • 税・社会保険負担が大きいのが玉に瑕(但し、社会的公平実現のための再分配に注力している/そのポテンシャルがある、という意味では必ずしもマイナスに見るべきではない)。

 

なお、本ランキングにおける日本の低迷についてはこちらに詳しく分析されています。ご参考まで。

www.mri.co.jp

20220927 ドイツの人口84百万人突破

今年6月末時点でのドイツの人口は、前期比約38万人増加し、84,079,811人と初めて84百万人を突破しました。

うち、

 男性: 41,383,786人(49.2%)

 女性: 42,696,025人(50.8%)

 ドイツ人: 72,199,337人(85.9%) となっています。

https://www.destatis.de/DE/Themen/Gesellschaft-Umwelt/Bevoelkerung/Bevoelkerungsstand/Tabellen/liste-zensus-geschlecht-staatsangehoerigkeit.html#616584

 

ドイツ連邦統計局の総括コメントは以下の通りとなっています。

  • ドイツの人口が初めて84百万人を突破 - 2021年末比843千人(1.0%)の増加。
  • ロシアの侵略戦争によるウクライナ人の流入(約75万人)により、1992年(東西統一後の東欧からの流入)、2015年(難民積極受入れ)と同規模の移民を受け入れている格好。
  • 2022年6月末時点で、ウクライナ人女性前年比501千人増、男性248千人増。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2022/09/PD22_410_12411.html

 

ウクライナ難民のドイツへの流入は3月以降もコンスタントに続いています(濃:男性、薄:女性)。今後はロシア人男性の受け入れも少し増えてくると思います。

https://www.destatis.de/DE/Themen/Gesellschaft-Umwelt/Bevoelkerung/Wanderungen/Wanderungsueberschuss.html

 

20220926 OECDが必要と考えるECB利上げ着地は4%

先ほどリリースされたOECD経済予測アップデートのP17に

www.oecd-ilibrary.org

さらっと書いてあって目を疑ったのですが、ECBのメインの政策金利(REFI)は来年4%に上がるとあります。イタリアなどの周縁国債を(激しく)買い支える分、高い金利が必要になるということのようです。

>The main refinancing rate is projected to rise to 4% in 2023, with use being made of all margins of flexibility when reinvesting the proceeds of maturing bonds on the ECB balance sheet to limit financial fragmentation in the euro area.

 

ちなみにBloombergがないと、ECBやBOEの利上げ軌道の正確な市場織込み読み取りにくいのですが、こちらのEURIBOR(黒線)やSONIA(緑線)のフォワード金利を見る限りで、ECBは3%強BOEは5%半ばでの着地という織込みになっています。

上図OECDのECB利上げ軌道の見立て(緑線)はかなりアグレッシブなものと言えます。

https://www.chathamfinancial.com/technology/european-forward-curves

 

なお、各国の経済予測(大半は6月比大幅下方修正)については以下のようになっています。

ドイツは来年▲0.7%のマイナス成長(上表)、インフレは7.5%と凄まじい高止まり(下表)という予想です。

一方で日本は来年、+1.4%成長と+2.0%インフレというほぼ理想的なバランスとなっています。

 

ドイツがマイナス成長とは言っても、実質成長率がインフレに食われていることによるものであり、名目成長はほとんど凹むことなくかなりの高水準を維持しています。

人手不足は深刻であり、雇用もそう簡単には弛まないと思います。

デフレ的に名目売上と雇用(賃金)がジリジリ減っていくような日本的不景気とは全くイメージが異なりますのでくれぐれも誤解しないようにしましょう。

 

20220926 ドイツGDPナウキャスト

ドイツ経済省が毎月下旬頃に発表しているGDP NOWCAST(9月9日時点)によると

 Q3 前期比 +0.2%(青線)

 Q4 前期比 ▲0.2%(赤線)

一般のイメージよりかなり強いものになっています。
しかもQ3、Q4とも最近かなり盛り返しているというところが特徴的です。
ドイツ経済に対する悲観が日に日に高まっていることと対照的です。

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2022/10/09-konjunktur-BIP-nowcast.html

 

毎週月曜夕刻にアップデートされるドイツ連銀週次経済活動指数は、前期比▲0.1%程度を示唆しています。
マイナス幅が小さい上、こちらも最近ジリジリ改善(上昇)が続いています。

https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex

 

Q3GDP統計の発表は10月28日とまだかなり先なので、エコにミスト予想は十分出揃っていませんが、現時点でのインディケーションは前期比▲0.7%とかなり大きめのマイナスとなっています。

Germany GDP Growth Rate - 2022 Data - 2023 Forecast - 1970-2021 Historical - Calendar

 

これは恐らく、直近のドイツ総合PMI(青線)が大きなマイナス成長(前期比▲2%でもおかしくないくらい)を示唆しているためと思われます。

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/81f30db010634664b4fd0612405ae03c

 

なお、先ほど発表されたifo景況指数(総合、赤線)もめちゃ弱かったのですが、現況指数(黒線、あくまで足元のビジネスの走りについての評価で将来の悲観は入っていない)を7〜9月で均すと前期比それほど大きくは下げていないので、Q3分のGDPは善戦するかも知れません。

https://www.ifo.de/fakten/2022-09-26/ifo-geschaeftsklimaindex-auf-breiter-front-gefallen-september-2022

20220926 イタリア総選挙結果(極右化)に対するドイツメディアの論評

欧州の週末のメインイベントは何と言ってもイタリアの前倒し総選挙だった訳ですが、ドイツの主要メディアの反応は以下のような感じ(なかなか面白いですもの)となっています。

  • 予告済みのカタストロフィがやはり現実となった。
  • メローニ女史率いるFDIが、典型的ばら撒き政策(減税、最低賃金保育所無償化、子供手当増額など)により、インフレに困り果てている人々からの支持(25%超)を集め、第1党となった。
  • イタリア初の女性首相誕生となる可能性が高いが、メローニ(45)が連立を組むことになるFIのベルルスコーニ(85)や、LEGAのサルビーニ(49)をずっとコントロールし続けられるとは思えず(実際過去に何度も連立政権を崩壊させてきた)、短命政権に終わる可能性が非常に高い。
  • インフレがイタリア国民の最大の不満だが、安易なポピュリズムで簡単に解決することはできないので、イタリア政局の不安定性、不透明感は一層高まったと言わざるを得ない。
  • 今のように既に十分不透明な時代に、追加の不透明感上乗せは大変迷惑な話。
  • メローニは、EUよりイタリアを優先すると公言しているので、EUや独仏との衝突不可避EUとしては、コロナ基金へのアクセス制限でイタリアーを御するしかない(コロナ基金はイタリアにとって不可欠のばら撒き原資)。
  • EU色の濃いポーランドハンガリーが妙に勢いづく可能性がある。
  • 非の打ちどころのなかったドラギの後だけに、ファシストのメローニでは落差があまりにも大きく見える。
  • フランスではルペンによる極右化を何とか回避し続けているが、イタリアは簡単に極右化した。
  • プーチンに近いベルルスコーニやサルビーニとは違って、メローニはウクライナ支持なので、その点はせめてもの救い。
  • イタリアではなんだかんだ言って最終的には民主主義がちゃんとワークするので、そんなにひどいことにはなるまいと少しだけ期待したい。

 

<日本語メディアの報道ぶり>

jp.reuters.com

www.nikkei.com

 

イタリア選挙後にユーロドルは安値を更新し、イタリア長期金利は上昇しています。

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20220925 ドイツ難民問題再燃の兆し

ドイツ難民問題再燃の気配が出てきました。

 

シリア、アフガン、トルコからの難民が前年比二桁増となっており、ドイツへの難民流入(赤線)が直近5年間の中で最高ペースになっています。
それに加えてドイツはウクライナ難民(女性と子供中心)を積極的に受け入れています。
今後は兵役を逃れたいロシアの若者男性の大量流入(ドイツとしては戦争終結に資するものとして歓迎)が予想されています。

そもそも既に受け入れキャパが一杯になっている上に、インフレやガス不足でドイツ国民自身の余裕(自宅受け入れやボランティアなどへの意欲)がなくなっているので、難民問題が再び政治問題化するリスクが高まっています。

 

ちなみに今年1〜8月の累計トップ5はシリア、アフガン、イラク、トルコ、ジョージアとなっています。

 

 難民総数の長期推移

メルケル前首相がほぼ独断で「皆さんいらっしゃい」(無制限の難民受け入れ)に踏み切った2016年の年75万人がピークです。

ざっくりこの半分くらいはドイツの労働者として立派に戦力化してくれており、人手不足の痛みを和らげることに貢献しています。


https://www.bamf.de/SharedDocs/Anlagen/DE/Statistik/AsylinZahlen/aktuelle-zahlen-august-2022.pdf?__blob=publicationFile&v=2

https://www.bamf.de/SharedDocs/Anlagen/DE/Statistik/AsylinZahlen/aktuelle-zahlen-august-2022.pdf?__blob=publicationFile&v=2