日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

米国

20220513 ドイツ経済の経済ブロック別依存度見える化

スイス・バーゼル大発祥の調査会社プログノス(Prognos)から「その後の世界」と題された興味深いレポートが出ています。 ウクライナ危機後の世界においては、経済圏のブロック化(分断)が進む可能性が高まっていますが、ドイツ経済が現時点でどのブロック…

20220423 日本だけコストプッシュ型

ウクライナ危機の長期化に加えて、中国ゼロコロナ政策に起因するコンテナ目詰まりのため、グローバルベースでインフレ圧力が一段と高まっています。もともと日本経済は資源・エネルギーの大半を輸入に頼っているため、それらの価格上昇と円安の組み合わせに…

20220408 ユーロ圏は着実に金利正常化に向かっています

足元は米国の積極利上げが市場のメインテーマになっていますが、ユーロ圏もその影響を逃れることはできません。 ウクライナ危機の長期化を背景に、グローバルなインフレ予想がどんどん切り上がっているだけでなく。。。 ECBが重視するユーロ圏のインフレ期待…

20220405 ウクライナ危機の独仏米英内政への影響

ウクライナ危機でどの国もそれまでの内政的課題の優先順位が落ち、各国リーダーたちの立場にもいろいろな影響が出ています。以下ドイツメディアでの論調を簡単にご紹介します。 ドイツ当初は制裁や武器供与でえらく腰が引けていたため、内外からかなり批判さ…

20220326 ウクライナ危機に伴う小麦価格高騰への対策

ウクライナ危機をきっかけに、二つのF(FuelとFood)が問題になっています。ドイツでも最初は天然ガスとガソリンで大騒ぎだったのですが、その後、主食のパンを直撃する小麦の大幅な価格上昇についての話題がじわじわ広がっています。 小麦の生産量でみると…

20220323 ドイツ経済の中長期展望

ドイツ5大研の一角であるキール研(IfW)から、ドイツ経済の中長期展望レポート(2026年までの予測)が出ていましたのでそのエッセンスをご紹介します。 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年 実質GDP 2.1 3.5 0.9 1.0 1.0 ~低下トレンド 名目GDP 5.0 6.9 3.…

20220320 核弾頭国別保有件数

ドイツのニュースで、 「核弾頭の数だけでいうと、ロシアの6,255に対し、仏290+英225で515に過ぎないので、圧倒的に不利」 という報道があったのでちょっと調べてきました。 ロシアのデータの出所はよく分かりませんでしたが、少なくとも英仏分についてはこ…

20220319 悪い円安の嫌な予感

「悪い円安」が始まっているのではないかと心配になってきました。ドル円レートが先週後半急騰し、119.15まで円安ドル高が進みました。米FEDが今後どんどん利上げを進めていく一方、日銀は全く動く気配がないため、日米金利差拡大を口実にドルが買われている…

20220318 ウクライナ危機はドイツのGDPを1%強押し下げ、インフレを2%程度押し上げ

いくつかのドイツ有力機関からウクライナ危機反映後の ドイツGDP/インフレ予測が出てきたので まとめてみました。 ウクライナ危機前の予想と比べてみると、GDPは1%強切り下がり、インフレは2%押し上げられるイメージとなっています。 ちょうどOECDからウク…

20220305 ロシア中銀の外準狙い撃ち

中銀の外貨準備というのは、ある種の国家機密のようなものなので、詳細までは開示されていないことが多いのですが、ロシア中銀は驚くほど透明な情報開示をしています。「BANK OF RUSSIA FOREIGN EXCHANGE AND GOLD ASSET MANAGEMENT REPORT」を見ると、ロシ…

20220304 ウクライナ危機に対するドイツ主要メディアの論調

ウクライナからの難民は、とにかく迅速に気持ちよく受け入れるべき。現時点で120万人以上がEU(うち65万人がポーランド)入りしているが今のところ概ねうまくいっている。(ただし、誰も声高に言わないか、女性と子供が中心なので犯罪者になる可能性が低くて…

20220303 ウクライナ危機についての現時点でのドイツ人の受け止め方/メディアの論調

ウクライナ危機では、NATO側からこれ以上打つ手のないまま民間人の犠牲者が激増しており、ニュースを見ているだけで心が痛みますが、 ドイツにおける受け止め方と、主要マスメディアでの論調についてご紹介します。 ●ドイツ政府の危機対応に対するドイツ国民…

20220228 プーチンの核兵器使用示唆に対するドイツの見方

プーチン露大統領が「核戦力を含む軍の核抑止部隊に対し任務遂行のための高度な警戒態勢に移行するよう指示した」というニュースがドイツでも大きな話題になっています。素直に読めばロシアが核兵器使用に一歩近づいたかのように受け取れるアクションです。 …

20220227 ウクライナ危機のインプリケーション

ウクライナ危機については、本稿執筆(ドイツ時間2/27、午前11時)時点で ウクライナ軍の健闘(米露専門家の想定以上に長く持ち堪えている) 対露経済制裁一段の強化(ロシアの銀行の一部のSWIFTからの排除、ロシア中銀の資産凍結) ドイツを含むウクライナ…

20220224 シュピーゲルによるウクライナ危機フォローサイト

取材力が強くて特ダネが多く、記事の品質も高いことで知られる高級週刊誌「独シュピーゲル誌」のWEBサイトにウクライナ危機用の Live Ticker が立ち上がりました。直近時点で重要なポイントを冒頭(灰色網掛け部分)に凝縮してくれているので大変便利です。 …

20220222 ウクライナ問題をドイツの視点でフォローするならこちら(DLF)

プーチン大統領がいよいよ攻勢に出てきました。ドイツでもウクライナ問題がトップテーマになっています。 ドイツ国内の論調をメディア横断的にうまくまとめてくれる最も信頼できるメディアであるドイチュラントフンク(DLF)で昨夜からニューズブログ(ドイ…

20220219 大変なことになっているドイツの電気代

風力や太陽光などの再エネ発電に熱心なドイツの家庭用電気代は、欧州トップクラスに高いことで有名です。1キロワット時あたりの電気代(昨年6月時点)は、日本を100とすると、ドイツ142、英国111、フランス83、オランダ74、米国60という具合です。家庭用電気…

20220218 ショルツ首相/SPDの頭痛の種:シュレーダー元首相

メルケル前首相が政界から完全に引退してしまった今、プーチン露大統領にとってドイツにおけるもっとも太いパイプは、シュレーダー元首相となっています。 ロシア国営ガスプロム、独シュレーダー元首相を取締役に: 日本経済新聞 ●シュレーダー元首相 日本語W…

20220213 ショルツ首相はなぜノルトストリーム2廃止を明言できないのか

ロシア軍は、ベラルーシやクリミア近傍でこのような大規模軍事演習を遂行中ですが、いよいよ来週にもロシア軍のウクライナ侵攻(まずはミサイル攻撃と空爆)が始まるという報道がドイツでもトップニュースになっています。 ドイツ外務省はウクライナ在住のド…

20220210 ドイツにおけるコロナワクチン接種進捗状況

ワクチンに対する国民の受容度の高さを示す「1回以上接種者の人口比率」の時系列推移をみると、UKとドイツはワクチン接種で最初大きく先行していたものの、その後は75%あたりが壁になって伸び悩んでいます。一方、イタリア、日本、フランスは、最初こそ出遅…

20220206 ロシア/ウクライナ問題をドイツの視点からフォローするならこちら

ドイツ語になりますが、時々刻々と変化する情勢を追いかけたい場合には、30分毎にラジオ/ポッドキャストでニュースを流してくれるこちらの Deutschlandfunk (DLF) が大変便利です。 Startseite - Deutschlandfunk Startseite こちらのWEBサイトに掲載されて…

20220205 正常化、始めましょう

今年に入って金利の上昇が顕著になってきました。米国、ドイツ、日本の2年物国債利回りは、それぞれ年初来+0.59%、+0.38%、+0.04%上昇し、株価指数は▲5.6%(S&P500)、▲4.9%(DAX40)、▲3.1%(TOPIX)の下落となっています。株の軟化は、債券が株より…

20220204 恐るべきBOE(イングランド中銀)

BOEがFEDやECBに先んじてどんどん利上げしているのは、以下の理由によるものかと思っています。 伝統的にBOEが先進国中銀の中で最も果敢かつ迅速に動く(透明性も高い) ターゲット2%からインフレが1%上ブレ/下ブレをした場合には、財務相にこのような Ope…

20220115 カーボンニュートラル、できるまでやる

日本は2050年のカーボンニュートラル実現と、その中間目標として2030年までに2013年度比で温暖化ガス排出量46%削減を目指しています。関連するいろいろな資料を見ていると、カーボンニュートラルは、日本にとっても世界の他の国々にとっても、「できると信じ…

20220108 今年は高名目成長、チャンスの年です

今年は米国主導の金融政策正常化の急速な進行を予感させる展開で幕を開けました。米10年国債利回りは1.77%まで上昇し、日本でもJGB10年物利回りが0.14%と明確にレンジを切り上げてきました。2019年以来ずっとマイナスだったドイツ10年物国債の利回りも先月…

20220104 ユーラシアグループのトップリスク2022

毎年恒例のユーラシアグループによる今年注意すべきリスクトップ10が発表されました。 EurasiaGroup_TopRisks2022.pdf 日本語報道ではこのような感じで速報されました。 https://www.yomiuri.co.jp/world/20220103-OYT1T50111/ これら10のリスクについて、ド…

20220101 今年こそ自らの手でいい年に

昨年の株価パフォーマンスを振り返ると、米S&P500が+27%、ユーロSTOXX50が+21%(DAXだと+16%)だったのに対し、TOPIXが+10%(日経平均だと+5%)と大きくアンダーパフォームしました。円株でウェートが大きいファーストリテイリングやソフトバンクが中国…

20211227 英エコノミスト誌 The World Ahead ドイツ版

市場関係者にとって、恐らく世界で最も重要な雑誌ではないかと思われる 英Economist誌 が毎年12月に The World Ahead シリーズを発行していますが、ドイツの2022年版(ドイツではシュピーゲルのライバル誌であるフォークスとの協働)が出たのでざっとチェッ…

20211120 日系企業がEU市場で抱える経営課題

PwC Japanが今年8月に実施した、日本企業のグローバル戦略についての調査結果によると、日系企業の欧州市場における経営課題は重要な順に、①市場・競合環境の理解、②デジタル対応人材の確保・育成、③不正や横領の抑止、④買収後のPMI(M&Aの効果を最大化する…

20211016 特に日本では分配よりまず成長(生産性)

(週末のこの和独英コメントは、海外の友人たちに日本の話をする際の小ネタ提供を目指して書いています) 米国とドイツの潜在成長率がそれぞれ約2%、約1%であるのに対し、日本の足元の潜在成長率はほぼゼロとなっています。ドイツでも日本でも新政権組成…