日独経済日記

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20240217 露ナワリヌイ氏死去についてのドイツメディアの報道ぶり

ロシアの汚職撲滅活動家/反体制派アレクセイ・ナワリヌイ氏の死去についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。

  • アレクセイ・ナワリヌイ氏はシベリアの流刑地で痛ましい死をとげ、プーチンは最後の難敵撃破に成功した。
  • 西側諸国首脳はすぐさまロシア政府/プーチン大統領の暴挙と断定し、一様に強く非難している。
  • これに対してロシア政府は、調査が始まったばかりなのに西側諸国は何の根拠もなく決めつけたプロパガンダを展開していると反論している。
  • 同氏の死去が、市民の自由と勇気を大切にするすべての人にとってショックな大事件となることは間違いない。
  • ナワリヌイ氏の死により、ロシアは最も重要な抵抗の声を失いつつある
  • 国外での亡命生活を続けていればこのような死を避けることができたかもしれないが、彼はロシア国内で仲間と共に戦う戦略を選択した、
  • ロシア諜報機関による毒物中毒をドイツでの治療で克服した後、敢えて帰国したのは非常に勇敢だったが、最終的には致命的な戦略ミスとなってしまった。
  • シベリアの刑務所独房内で医者にも視てもらえない環境は、恐らく肉体的にも精神的にも相当過酷かつ非人道的なものだった。
  • ナワリヌイ氏の時間をかけたなぶり殺しは「分割返済的殺人」とでも表現すべきものである。
  • 実態の把握は非常に難しいが、彼に対するロシア国内での支持率は今でも1割は以上あるはずだ。
  • 死んでしまった彼が英雄の地位を獲得できるのは、彼に対して好意的な少数のサークル内だけであり、彼の死がロシアの大衆を動かすとは思えない(だからこそ殺されてしまった)。
  • 長年にわたる弾圧で国民が非政治化してしまったロシア国内で、反体制派が勢力を拡大することは非常に困難であり、国外から粘り強く活動し続けるべきだったように思われる。
  • 彼には権威主義者的・人種差別者的部分もあり、西側の目線で見て完璧な民主主義者ではなかった
  • 彼が目指していたプーチンなきロシア」が本当に西側諸国から見て望ましいものだったかどうかは、今となっては確認しようがない。
  • ロシア政府によるこういった弾圧や迫害は、スターリン時代ほどあからさまに暴力的ではないかもしれないが、より洗練され、より広範囲に及んでいる
  • ドイツの政府首脳がかつてプーチンを「完璧な民主主義者」と表現したのは、ドイツ戦後史上の恥ずべき汚点である。
  • 一人の勇敢なロシア人が最後の最後まで独裁者と戦った。今でも自由で強力で遥かに恵まれた状況にある西側諸国は、ナワリヌイ氏と私たち自身のために、この独裁者としっかり闘って止めなければならない。。
  • ユリア・ナワリヌイ未亡人は「プーチンはこれまでに犯したすべての残虐行為に対して責任を負わなければならない」とロシアとの戦いを世界に呼びかけた。最愛の人を失った直後のこの気丈さは人々に感銘を与えている
  • 人類にとって大変悲しいことだが、結局は力を持つ者が生き残るという現実を直視しなければならない
  • 戦争屋プーチンを最後に裁判にかけて罰することができたとしても、それまでに何万人もの罪のない人々の命が失われてしまっていることを忘れてはならない。
  • 自分の影響範囲内で自分の邪魔をする者は全員死ぬことになる、という強烈なメッセージをプーチンは世界に再び発信した。彼は対ウクライナ戦争でこの影響範囲をさらに拡大しようとしている。
  • もし彼がその影響圏拡大に成功すれば、ヨーロッパの安全保障上この上ない脅威となる。欧州の弱体化は米国の不安定化にもつながる。
  • トランプ氏が大統領に再選され、彼が公言している通りNATOを弱体化させれば、世界は完全に崩壊するだろう。
  • ミュンヘン安全保障会議開催中のナワリヌイ氏死去は、タイミング的に偶然ではないようにも思われる。
  • ゼレンスキー大統領は、ショルツ首相から歴史的二国間安全保障協定などの支援強化を獲得し、外交的成功を収めている。
  • 開戦当初、ドイツはウクライナ支援に腰が引けすぎていると批判されていたが、今やドイツはEU内で模範を示すようになってきた。

 

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