日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

2021-12-01から1ヶ月間の記事一覧

20211231 今後10年の我々の生活を変える10の重要トレンド

独ハンデルスブラット紙(12/23-26週末号)に、「今後10年の我々の生活を変える10の重要トレンド」という興味深い特集があったので、そのエッセンスを私なりの言葉でご紹介させて頂きます。 Disruption: Zukunft hängt von technologischen Durchbrüchen ab …

20211230 ドイツのオミクロンウォッチ

毎日周辺国の状況を含めたモニタリングはこちら(ベルリナーモルゲンポスト紙のポータル)が便利です。 Omikron bis Delta: Karte zeigt Ausbreitung der Corona-Varianten (morgenpost.de) これによると、ドイツでは本日(12/30)時点で、新規感染サンプル…

20211229 ドイツのコロナ対策、引き続き世界一厳しいと評価されているようです

オックスフォード大はコロナ発生当初から、コロナ対策厳格度の国際比較を可能にする指標「Stringency Index」を公表していますが、それによると最近主要国の中でドイツがトップを維持しています。 COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School …

20211228 ドイツ政府のワクチン接種推進啓蒙活動

ドイツ政府はクリスマス休暇も返上して必死にワクチン接種を推進しようとしていますが、本日(12/28)時点でワクチン接種を回避している人がまだ26.1%もいます(ワクチン接種できない年齢層4.8%を除く)。 1回以上接種した人の割合(現在73.9%)が増えれ…

20211227 英エコノミスト誌 The World Ahead ドイツ版

市場関係者にとって、恐らく世界で最も重要な雑誌ではないかと思われる 英Economist誌 が毎年12月に The World Ahead シリーズを発行していますが、ドイツの2022年版(ドイツではシュピーゲルのライバル誌であるフォークスとの協働)が出たのでざっとチェッ…

20211226 ドイツではATM爆破による現金強奪が後を絶ちません

ドイツのATMは、支店のATMコーナー以外にも、こんな感じで壁などに埋め込まれて24時間使えるようになっているようなものが多いのですが(右は外からのメンテの様子)。。。 これをまるまる爆破して中から現金を強奪するという大胆この上ない事件が昔からずっ…

20211225 日独2021年重大ニュース

今年の重大ニュースを挙げるとすれば、日本では、①1年遅れでの東京オリンピック開催、②岸田政権誕生、③コロナ長期化、④熱海土石流、ドイツでは、①ショルツ政権誕生、②大洪水、③コロナ長期化、④アフガニスタンだったのではないかと思います。従って2022年は、…

20211224 「2Gプラス」の次はいよいよ「1G(Geboostert)」か

オックスフード大の Covid-19対策厳格度指数 によると、現状ドイツは世界で最も厳しいコロナ対策用行動制限を適用しています。 COVID-19 Government Response Tracker | Blavatnik School of Government (ox.ac.uk) 州毎に細部は微妙に異なりますが、例えば…

20211223 ドイツ・スイス・オーストリア比較

ドイツ、スイス、オーストリアの3か国は、同じドイツ語圏ということで「DACH」(D:ドイツ、A:オーストリア、CH:スイス)として束ねられることがありますが、お互いに意識している微妙な違いがあってなかなか面白いと思っています。私の独断と偏見で一覧表…

20211222 ドイツ住宅価格今年Q3は前年比+12.0%(Q2+10.8%)

本日ドイツ連邦統計局から掲題の通りの発表があり、長期にわたる超低金利政策とコロナ下の過剰流動性を背景に、住宅価格上昇の急加速が確認されました。 CPIの急上昇とも整合的で、一般市民の家賃上昇懸念にもつながっています。 Preise für Wohnimmobilien …

20211221 ドイツ連銀新総裁ヨアヒム・ナーゲル氏について

10月にサプライズ辞任表明をしたドイツ連銀ヴァイトマン総裁の後任に、ヨアヒム・ナーゲル氏(55歳、SPD党員、エコノミスト)が内定しました。 ドイツ主要メディアでの報道振りから、知っておいて損のなさそうなポイントをメモしておきます: 来年1/1からヴ…

20211220 ドイツ企業の2020年マクロ財務状況(ドイツ連銀12月月報より)

毎年下旬に発表されるドイツ連銀月報の12月号には、毎年その前年度の企業財務分析が掲載されており、本日2020年分が発表されたので、そのエッセンスを以下簡単にご紹介します。 Ertragslage und Finanzierungsverhältnisse deutscher Unternehmen im Jahr 20…

20211219 メルツ新党首の下で独CDUは生まれ変われるか

今年9月の連邦議会(下院)選挙で歴史的大敗を喫して野党第一党に転じたCDUは、党員投票(オンライン+郵便)の結果、次期党首としてフリードリッヒ・メルツ氏を選出しました。フリードリヒ・メルツ - Wikipedia CDUは16年にわたる政権与党から今回一野党に転…

20211218 未来のオフィス考

コロナのおかげでテレワークやビデオ会議が当たり前になり、私たちは場所や時間の制約から大きく解放されました。30年前にオフィスで1枚1枚手で入れ替えながら取っていたコピーが、急に家のiPadのカメラで簡単にスキャンしてメールできるようになったくらい…

20211217 ドイツ連銀のドイツ経済予測アップデート

毎年6月と12月の年2回アップデートされるドイツ連銀のドイツ経済予測が本日発表されました。2021年から2024年までの中期予測となっています。 Bundesbank-Projektionen: Aufschwung verschiebt sich etwas | Deutsche Bundesbank 実質GDPの推移の予想は以下…

20211217 米英主導の金利正常化局面におけるECB

今回の注目のECB理事会の決定内容は、一般市民にもビジュアルでわかりやすく伝わるよう、ECBのWEBサイトでこちらのようにまとめられています。 Our monetary policy statement at a glance - December 2021 (europa.eu) 中学生向けくらいの説明を意識したか…

20211216 足元Q4のドイツGDPの走りについて見方が分かれています

足元2021年10-12月期のドイツGDPは来年1/31に速報が発表される予定ですが、前期比どれくらいの成長率になるかについては、ゼロをはさんで以下の通り見方が分かれています。 ①市場予想:(まともな予測値を期待するにはやや時期尚早ながら)前期比+0.2%程度 …

20211215 来年のドイツインフレ率は+3.3%まで上昇見込み(ifo)

昨日ifo経済研究所(ifo景況指数の発表元)からドイツ経済予想のアップデートが発表されました。 ifo Konjunkturprognose Winter 2021: Lieferengpässe und Coronawelle bremsen deutsche Wirtschaft aus | Veröffentlichung | ifo Institut 今回の予測では …

20211214 ドイツコロナ状況アップデート

基本的には当ブログで繰り返しご紹介させていただいているこちら(ベルリナーモルゲンポスト紙)のコロナポータルサイトCorona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland + weltweit (morgenpost.de) ですべての重要情報がタイムリーにカバーされているので、W…

20211213 ベアボック外相の外交デビューの印象

ベアボック新外相は、就任後早速、パリ(フランス)、ブラッセル(EU)、ワルシャワ(ポーランド)、リバプール(G7)を歴訪し、国際外交舞台へのデビューを果たしました。 最初は相手にも「お手並み拝見」的な部分があり、いきなりガチンコでぶつかり合った…

20211212 現在ドイツで広く適用されている2Gルールについて

現在ドイツでは、人口10万人あたり直近7日間の重症入院患者数(下図右端の数値)が3を超える州では、いわゆる「2Gルール」(ワクチン接種済又は感染から快復した人だけ利用可)の導入が義務付けられています。 Corona Zahlen aktuell: Karte für Deutschland…

20211211 コロナ下2年目のドイツ生活

ドイツの消費者物価が、11月時点で前年同月比+5.2%と大幅に上昇しています。その主因は、①1割のウェートを占めるエネルギー関連費用+22.1%(2%押し上げ)と、②昨年後半一時的に引き下げられていた付加価値税が今年元に戻されたことによるベーシス効果(1%…

20211210 企業倒産件数増加局面入りも、激増するわけではなさそう

本日ドイツ連邦統計局より9月分の企業倒産件数が発表され、コロナ/洪水関連支援政策にサポートされつつも、最近倒産がじわじわと増えてきていることが明らかになりました。(青線は確定した企業倒産件数、赤線は申請に基づく先行指数、それぞれ前年同月比) …

20211209 ショルツ新政権のパワーバランスをチェック

昨日(12/8)SPD、Green、FDP3党の連立によるショルツ新政権が発足しました。 ①連邦議会での議席数、②閣僚数(首相と官房長官を含む)、③各省庁に配分されている2022年予算金額、のそれぞれで3党のシェアを確認しました。 全体としてうまくバランスがとられ…

20211208 ショルツ新政権の金融セクターにおける政策の方向性

ドイツ外銀協会 Home - Verband der Auslandsbanken in Deutschland e.V. (vab.de) が、ショルツ新政権のベースとなる連立協定の内容について掲題の観点から論点整理してくれていますので、以下その概要をご紹介します。 金融界最大の懸念事項だった 投信な…

20211207 ショルツ新政権閣僚の顔ぶれ

本日連立契約に3党が署名し、ショルツ政権が明日(12/8)発足することがほぼ確実となりました。閣僚の顔ぶれは以下の通りで、首相を含む17人中の8人が女性となっています。 Ministerriege steht | Börsen-Zeitung (boersen-zeitung.de) Neue Bundesregierung…

20211206 HDE消費バロメータ大幅悪化も、実際の消費はこんなには落ちないように思われます

ドイツ小売業協会(HDE)が、毎月消費者約2000人を対象に調査している消費バロメータ(3か月程度先の消費ムードを表現しようとしている)が、昨冬のロックダウン期並みに急低下しました。 Handelsverband Deutschland (HDE) - Kurzlink Konsumbarometer (ein…

20211205 ドイツにとって今年はこんな年だった(フランクフルターアルゲマイネ)

フランクフルターアルゲマイネ(有力全国紙、中道右派色)日曜版が「2021年は(ドイツにとって)こんな年だった」という特集を出していましたので、その面白そうな部分をピックアップして簡単にご紹介します。 まず、表紙(絵と文字)を見ると以下が目に飛び…

20211204 なぜ日本のドイツ人はドイツの日本人の1/6しかいないのか

最近(2021年末頃です)のKPMGの調査によると、日本からドイツへのインバウンド進出企業は1000社強あり(注:外務省統計の1900社には日本人がドイツで興した企業や日本側の出資比率が低い合弁なども含まれています)、ドイツで年840億ユーロの売上と161千人…

20211203 今年のドイツ流行語大賞「Wellenbrecher~コロナ(の波)抑止措置」

先ほど(ドイツ時間午前11時)公益財団法人GfdS(Gesellschaft für deutsche Sprache e. V.)から今年のドイツ流行語大賞(Wort des Jahres)が発表されました。活きたドイツ語として最高の教材なので、ドイツ語学習者としては当然要チェックアイテムです。 …