日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

銀行

20221125 ドイツ連銀月報いいとこどり③(金融市場編)

引き続きドイツ連銀11月月報から金融市場関連のポイントをピックアップしていきます。 ●為替 一番下のユーロ名目実効レート(黒)で読み取れる通り、ユーロは一時弱かったもののその後戻して昨年末来おおむね横ばい。対ドル(1番目)での安値からは切り返し…

20221124 ドイツ連銀金融安定報告のポイント

https://www.bundesbank.de/de/aufgaben/themen/finanzstabilitaetsbericht-900432 (W杯観戦で忙しいので??)以下、単刀直入にポイントを列挙します。 ちょっと前までは低インフレ・高成長(+金融資産の含み益)といういい環境だったが、今は高インフレ・…

20221106 ドイツの当座貸越金利、6.99〜15.95%とかなり上がってきました

日本ではあまり馴染みがありませんが、ドイツでメインとなる銀行口座は当座預金(決済用、付利なし)で、残高以上の引き出しに対しては、結構高い金利の当座貸越(普通預金に直結しているカードローンのようなもの)となります。 多くの銀行では、貸越金額の…

20221022 半年毎に必読の日銀金融システムレポート

<Japanese> 日銀が半年毎(4月、10月)に出している金融システムレポート(和・英)は、金融業界関係者にとって必読の書であり、私も毎回欠かさずチェックしています。海外では、金利急騰に加えてリセッション懸念が高まっていますので、有価証券投資の含み損拡大や海</japanese>…

20220923 ドイツ住宅価格上昇鈍化

先ほどのドイツ連邦統計局発表によると、今年第2第四半期(4〜6月)の住宅価格指数は、前期比+2.5%と絶対水準の上昇は続いているものの、前年同期比での伸び率は、+10.2%と前期の+11.6%から大きく減速していました。 https://www.destatis.de/DE/Presse/Pres…

20220922 ドイツ銀行セクターの2021年収益動向

ドイツでは日本と違ってほとんどの銀行が上場していないので(例えば3本柱の二つである貯蓄銀行や信用組合が非公開)、日本のように気の利いた財務ランキングの類はまず手に入りません。 ドイツの銀行業界全体の財務状況を調べたければ、ドイツ連銀の(銀行…

20220831 家賃のウェートが高いおかげで、インフレのダメージが緩和されてました

ドイツ連邦統計局のWEBサイトの中に「あなたの家計の実際のインフレ率を計算してみよう」というコーナー(下添リンク)があるので、使ってみたところ、下図の赤線のような推移がはじき出されました(青線が統計/標準世帯のウェートベース)。 今年7月の断面…

20220806 サステナブルファイナンス考

持続可能な新しい社会を実現するために必要な活動を支える金融のことを、「サステナブルファイナンス」と呼びます。経済活動の裏側にはそれを支える金融が常に(黒子のように)存在し、その活動が大きなものになるほど、大規模で難度の高い金融が必要になり…

20220804 ECB経済月報クイックチェック

ほぼ毎月出ているECB経済月報(Economic Bulletin)は、グラフをナナメ読むだけでも、ECBがどんなデータをどのような形で見ているか/見せようとしているかが分かって有益です。 https://www.ecb.europa.eu/pub/pdf/ecbu/eb202205.en.pdf サンプルとしていく…

20220718 企業の資金調達、家計の金融資産(2022年3月)

ドイツ連銀から掲題について(ドイツ語だけでなく)英語でも速報が出ました。 Acquisition of financial assets and external financing in Germany in the first quarter of 2022 | Deutsche Bundesbank 同時期(2022年第1四半期)に対する日銀資金循環統計…

20220628 ドイツ金融安定化委員会報告のエッセンス

ドイツ金融安定化委員会(財務省、ドイツ連銀(中銀)、ドイツ連邦金融監督庁(BaFinから構成)が昨日(6/27)提出した国会宛報告書のポイントを抽出しておきます。 ①ロシア/ウクライナ危機 全体としてドイツの金融システム全体が受ける影響はマネージ可能 …

20220619 急騰するドイツ住宅ローン金利

スクープで有名なドイツの有力週刊誌シュピーゲルの直近号の表紙が、「住宅金利ショック(金利が1⇒3%と3倍になっている!)」というセンセーショナルなものだったので、本当にそうかなのか住宅ローン金利比較サイトで確認してみました。 デア・シュピーゲル…

20220422 ウクライナ危機で対露全面禁輸とした場合のドイツ経済への影響

掲題について、ドイツ連銀が今月の月報の中で分析結果(ベースライン比でのGDP押し下げ、インフレ押し上げ幅)を発表してくれていますので、その結果を簡単にご紹介します。 Krieg gegen die Ukraine: Energieembargo könnte deutsche Wirtschaft deutlic…

20220408 ユーロ圏は着実に金利正常化に向かっています

足元は米国の積極利上げが市場のメインテーマになっていますが、ユーロ圏もその影響を逃れることはできません。 ウクライナ危機の長期化を背景に、グローバルなインフレ予想がどんどん切り上がっているだけでなく。。。 ECBが重視するユーロ圏のインフレ期待…

20220311 ECB理事会についてのドイツメディアの報道ぶり

昨年夏頃から、ドイツで加速するインフレに対して何も手を打とうとしないECBに対するドイツメディアの批判が高まり続けてきましたが、今回のECB理事会結果に対する報道ぶりは概ね以下のような(引き続き批判的な)感じとなっています: ECBは債権買取縮小(…

20220308 ECBに対する利上げ圧力高まる

本日、ifo研より(恐らく大半が在ドイツの)145人のエコノミストに対する興味深いアンケート調査結果が発表されています。 Längerfristig erhöhte Inflationsrate für Deutschland | Fakten | ifo Institut これによると、ドイツのインフレ率は、今年(2022…

20220305 ロシア中銀の外準狙い撃ち

中銀の外貨準備というのは、ある種の国家機密のようなものなので、詳細までは開示されていないことが多いのですが、ロシア中銀は驚くほど透明な情報開示をしています。「BANK OF RUSSIA FOREIGN EXCHANGE AND GOLD ASSET MANAGEMENT REPORT」を見ると、ロシ…

20220209 ナーゲル独連銀総裁「今年インフレは4%を大きく超過」

私が10EUR/月のライトメニューで定期購読している独3大全国紙の一角、Welt紙に、「ナーゲル独連銀総裁がZeit紙(高級週刊新聞)とのインタビューで『ドイツの今年のインフレ率は4%を大きく上回る』と語っている」と速報されているのを見つけました。 独連銀…

20220204 恐るべきBOE(イングランド中銀)

BOEがFEDやECBに先んじてどんどん利上げしているのは、以下の理由によるものかと思っています。 伝統的にBOEが先進国中銀の中で最も果敢かつ迅速に動く(透明性も高い) ターゲット2%からインフレが1%上ブレ/下ブレをした場合には、財務相にこのような Ope…

20220130 ビハインドザカーブに陥りつつあるECB

先週の米FOMCをこなした後、米FEDによる年内利上げ織込みは計5回(25bp刻み)となっています。 CMEの FedWatch ツール: FOMCへカウントダウン (cmegroup.com) 昨年後半以降、米FEDによる利上げ地均し/市場織込みが急速に進んだ結果、米国債2年物利回りは下図…

20220124 ユーロ圏とドイツの総合PMIについて

本日IHS Markitからドイツを含むユーロ圏の1月総合PMI(有益な景気先行指標)が発表されました。 PMI Releases (markiteconomics.com) 52.4という数字自体はほぼ予想(52.6)通りの水準であったにもかかわらず、オミクロン拡大による景気減速継続が確認され…

20220111 ECBの誤った金融政策のせいで、ドイツ人一人当たり1700ユーロの購買力喪失という主張

ドイツで最も多くの人々(約100万人)に読まれている日刊新聞であるビルト紙の本日(2022/1/11)の一面トップは「ECBの見込み違いで、インフレ大ショック。ドイツ人の損害は1350億EUR」というまたまた挑発的な見出しになっていました。 Euro-Hüterin gibt zu…

20220108 今年は高名目成長、チャンスの年です

今年は米国主導の金融政策正常化の急速な進行を予感させる展開で幕を開けました。米10年国債利回りは1.77%まで上昇し、日本でもJGB10年物利回りが0.14%と明確にレンジを切り上げてきました。2019年以来ずっとマイナスだったドイツ10年物国債の利回りも先月…

20220106 ドイツの2021年通年のインフレ率は+3.1%で着地見込み

本日ドイツの12月CPI速報が発表され、前月比+0.5%、前年比+5.3%と上昇が加速していました。これは1992年6月以来の高水準です。いつまでたっても鈍化しない前月比の強い伸びが何とも気がかりです。 12月分のイメージがつかめたので、2021年通年は+3.1%とい…

20220103 内外有力機関によるドイツGDP/インフレ予想一覧

ドイツの経済専門新聞(日経新聞に相当)ハンデルスブラット紙傘下のハンデルスブラット研(HRI)が四半期ごとにアップデートしている経済予測を本日同紙一面トップで発表しました。 HRI-Konjunkturprognose: Der Post-Corona-Boom fällt aus (handelsblatt.…

20211226 ドイツではATM爆破による現金強奪が後を絶ちません

ドイツのATMは、支店のATMコーナー以外にも、こんな感じで壁などに埋め込まれて24時間使えるようになっているようなものが多いのですが(右は外からのメンテの様子)。。。 これをまるまる爆破して中から現金を強奪するという大胆この上ない事件が昔からずっ…

20211222 ドイツ住宅価格今年Q3は前年比+12.0%(Q2+10.8%)

本日ドイツ連邦統計局から掲題の通りの発表があり、長期にわたる超低金利政策とコロナ下の過剰流動性を背景に、住宅価格上昇の急加速が確認されました。 CPIの急上昇とも整合的で、一般市民の家賃上昇懸念にもつながっています。 Preise für Wohnimmobilien …

20211221 ドイツ連銀新総裁ヨアヒム・ナーゲル氏について

10月にサプライズ辞任表明をしたドイツ連銀ヴァイトマン総裁の後任に、ヨアヒム・ナーゲル氏(55歳、SPD党員、エコノミスト)が内定しました。 ドイツ主要メディアでの報道振りから、知っておいて損のなさそうなポイントをメモしておきます: 来年1/1からヴ…

20211217 ドイツ連銀のドイツ経済予測アップデート

毎年6月と12月の年2回アップデートされるドイツ連銀のドイツ経済予測が本日発表されました。2021年から2024年までの中期予測となっています。 Bundesbank-Projektionen: Aufschwung verschiebt sich etwas | Deutsche Bundesbank 実質GDPの推移の予想は以下…

20211217 米英主導の金利正常化局面におけるECB

今回の注目のECB理事会の決定内容は、一般市民にもビジュアルでわかりやすく伝わるよう、ECBのWEBサイトでこちらのようにまとめられています。 Our monetary policy statement at a glance - December 2021 (europa.eu) 中学生向けくらいの説明を意識したか…