日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240727 週末のBloombergより(セクターローテーションの流れなど)

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◆9月18日▲25bp利下げの確信が深まり、イールドカーブがスティープ化し、株ではセクターローテーションが進んだ1週間。
◆一部には雇用が急速に悪化し始める前に7月31日にも利下げを開始すべきとの声もあるが、強めのGDPなどに見られるように、景気全体の底堅さは失われておらず、市場金利が先回りして低下しているので、データを確認しながら9月まで待つ余裕がある。
◆7月31日に9月利下げを匂わせるかどうかは微妙。8月のジャクソンホールも地ならしに使える
◆中立金利は多少切り上がっていたとしても、今のFF金利よりは遥かに下のはずなので、年内2回強(サイクル合計でも100bp程度)の利下げには十分な正当性がある。
◆利下げが迫っているので、いつもより積み上がっているCASHは減らしてデュレーションを伸ばしたいところだが、トランプ政権下での関税や移民削減による長期金利上昇リスクは相応に怖い。
議会は捻れてくれた方が安易な財政拡張が防げる。上下院とも共和党が抑えると長期金利に上昇圧力。
社債スプレッドは引き続きタイト。金利水準は高いが、過大なレバレッジ金利負担による大型破綻による連鎖倒産が懸念されるような状況でないので、投資家も冷静。
◆とはいえ、景気悪化を伴う利下げ局面の中では社債のボラも上がりやすい。クレジットリスクの低い銘柄のスプレッド拡大を買い増しチャンスとして狙っておくべき。
◆今の所可能性は低いが、スパイラル的景気悪化が始まり、FEDが後追いで大幅利下げを強いられるような局面では、スプレッドは相当拡大する(株価も大きく下がる)はずなので、安易な買い出動は手控えるべき。
来週は為替の観点からもFOMCと日銀(共に7/31)に注目

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◆利下げ期待(確信)の高まりをきっかけに、これまで買われ過ぎていた大型ハイテクが売られ、その資金が相対的に弱過ぎたスモールキャップに流れ込んでいる。
◆景気が壊れそうにない中での利下げ接近がその背中を押している。
VISAやマスターの株は高所得者相手のAMEX株にアンダーパフォームしている。所得の低い方からじわじわと経済のモメンタムが失われていることは間違いない。
FED利下げで債券ポートの含み損が減りそうな地銀株は最近めっぽう強い
◆バイデン/ハリス政権は、米国に大規模投資を呼び込んだという意味で大きな成果をあげた。
◆ハリスは米国の未来にとって重要な財政規律と子供の教育を非常に重視する。
◆トランプ/共和党は放漫財政、関税引き上げ、ドル安、FEDへの圧力でインフレを押し上げる。下手をすれば英トラス政権のような財政危機/トリプル安を引き起こしかねない。
◆(GSWMの見方)これまで他国株や債券ではなく米株ガチホを推奨してきたが、今後も同様。今後の利下げ局面でも業績好調の米株の方が債券より中長期的アップサイドが大きい
◆サームルール(直近3カ月の失業率を過去12ヶ月でもっとも低かった失業率で引いた数が0.5を上回ると、景気後退の確率が高いという経験則)を重視する人もいるが、失業率の水準が低いので過大評価すべきでない。
◆顧客の足元最大の懸念は米財政のサステナビリティ。債務残高GDP比100%は確かに怖いが、臨界点は180%くらいとも言われており、今すぐ悪さをするわけではなさそう。
◆政治的にも地政学的にも不透明感が高まってきており、ボラの上昇が予想される。いざという時に魅力的価格で買い出動できるための流動性を確保しておくべき局面。
◆欧州の経済は予想外に低迷し、構造問題を抱える中国には新規資金が流入しないため、結果的に米国が資金の受け皿になっている。
◆オフィス不動産需要は、金利低下、バックトゥオフィスの流れ(東海岸の方が西海岸より進んでいる)、好調な企業業績を背景に(ゆっくりとではあるが)戻りつつある。
上位1割くらいのプレミアム(Aクラス)不動産を業界トップ企業が人材確保や生産性向上のために選好する流れは続いており、残り9割のそうでない不動産との賃料や空室率面での格差は拡大傾向にある。

 

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